風のささやき

Shimbo氏はベテラン。胸を突く言葉にShimbo氏呆然。

 6月の平日の最後の3日間、研修に参加することとなったShimbo氏。その前日、一体どんな研修が行われるのだろうと、悪い想像が膨らんではなかなか眠れなかったという。
 もしかすると、街中に連れて行かれて駅前で、大声をあげ、「押忍、私は某所で働いているShimboと申します。趣味は小鳥を可愛がることと、ハーブを育てることであります。」と自己紹介をさせられるとか、入門「2泊3日で基礎から学ぶ自衛隊」として、富士の裾野の樹海で、激しい訓練をさせられるとか、あるいは、度胸だめしのために、心霊スポットで写真を撮影させられるとか、Shimbo氏の悪い想像は果てしなくひろがり、まさに無間地獄に陥る前の罪人のような心境だったという。

 しかし、研修の初日、高鳴る胸を押さえながら会議室の錆ついた重いドアを開けると、Shimbo氏の知っている顔も並び、賑やかに談笑していたという。「あれで生き返ったここちぞしたね」とShimbo氏。しかしその安堵感が続いたのもわずかな時間であった。教壇に立った閻魔様のような教官は、真っ赤な顔をして、Shimbo氏ら生徒に激しい言葉を浴びせかけたという。「いいか、お前らはベテランだ」とか「もう相当な経験を積んでいるんだから」等、中学生気分の今だ抜けないShimbo氏は冷や水をかけられたようだったという。

 その後も、Shimbo氏が肝をつぶす研修が続いた。グループの中で誰がリーダーとしての資質が高いか競い合う「お山の大将比べ」や、お互いの欠点を指摘しあう「欠陥者は誰だ」、職場の人間からいかに搾取するかを学ぶ「帝王学演習」などなど、受講者の人格の崩壊 ⇒ ベテラン教育への洗脳を目的とした研修が続いた。さらにはこの洗脳を効果的なものにするための心理テストまで受けさせられる始末。

 3日間の研修をなんとか終えたShimbo氏。すっかりと洗脳されて、家に帰るなりハーブたちに「俺のことをこれからベテランさんと呼べ」と命令していたという。その日、今後会社でのShimbo氏の行動が心配だとハーブたちはヒソヒソ話しをしていたと言う。