風のささやき

Shimbo氏も震える。日本決勝トーナメント進出!

 「まずは、日本代表イレブンにおめでとうと言いたい。」と興奮まだ覚めやらぬ顔で、Shimbo氏は口を開いた。まるで某テレビ局の辛口サッカー解説者、セルジオ.A氏のようだ。「日本は今、新たな歴史をしっかりと刻み込んだ。一丸となって応援してくれたサポーターたちには心からありがとうを言いたい」。感極まった顔をしたまま、Shimbo氏は立ち尽くしていた。

 Shimbo氏がここまで興奮するのはもっともなことだ。日本が堂々予選リーグを突破して、決勝リーグに勝ち進んだのだ。思いかえせば「赤い悪魔」「白い巨人」「カルタゴの鷹」。次から次へと出てくるボスキャラのようなライバルたちをことごとく打ち砕いて予選リーグ一位突破とは、ホームとは言え出来過ぎた結果だ。
 しかしこれも日本の実力。忍者のような動きで相手を翻弄し、芸者のような仕草で相手を軽く弄び、将軍のような威厳で相手を威嚇し、侍のような無の境地で切りつけていく。
 日本と予選リーグで戦ったライバル達は口々に言ったという。「青いゼロ(ゼロ戦)を見た」「フジ山が立ちはだかっていた」「寿司食いねえ」「ハラキリ」。

 さて、その最終戦となったチュニジア戦の当日、朝から貧乏ゆすりが止まらなかったと言うShimbo氏。キーボードを叩く手も震えて字が打てず、昼食もまともに喉を通らなかったとのことだ。前の晩から「仮病を使って休むという誘惑」とどれぐらい戦ったかとShimbo氏は述懐している。そうして運命のキックオフ。Shimbo氏の祈りとともに、刻々と試合は進んでいった。
 
 そのころ東京都内の某社では、殿様の命により、日本を応援しながらの酒盛りが始まっていたと言う。「しかし、皆さんが思うほど盛り上がってはいなかったんですよ。」と某社のT氏は述べた。T氏の話では殿様から短刀を渡されて「日本が決勝トーナメントに出れなかったら、一緒に自害しろ」と迫られていたとのことだ。「試合中はみんな青ざめて、真剣に応援していたんですよ。」
 
 そんな日本中を興奮の坩堝に落としいれた日本の試合が今週の火曜日にも行われる。今度の相手は「魔法のペルシャ絨毯」トルコ。ハーブたちからは、肥料を買う金だけは稼いでくれと言われているShimbo氏だが、しばらくは仕事に手のつかない日々が続きそうだ。