風のささやき

歩むごと心湿らす落葉の香

落ち葉を踏みながら道を歩いていると
それだけで心が鎮まり
どこかしっとりと感じられて来ることを覚えます

冬の寒さはきっちりと閉じられた
唇から言葉を奪い意識は自分の中へと
自然と向かって行きます

踏みしめるたびに鼻に立ち上る
落ち葉の朽ちて行くような香

心だけではなくて
目元も少し涙を誘われるように濡れていました

 #2013 冬に