風のささやき

蝉時雨引き潮遠く去るごとし

蝉が鳴いている
街路樹の木陰を歩いていました

すると突然に大粒の雨が降り出しました
店先に逃げ込み
しばらく雨が通り過ぎるのを待っていた自分

街路樹の蝉の声は
まるで引き潮が遠のいて行くように
見事に小さくなり消えて行きました

それが終わって行く
夏の姿を予感させ
しばらくは蝉時雨の遠のく音の余韻が
僕の頭の中で鳴っていました