風のささやき

帰る夜の月上る子は重くなり

秋田から帰る前の晩のことでした

しばらくはまた来れなくなるので
子供たちを連れて家の周りを
散歩することにしました

明日は帰るのに
寂しくはないのかなと
親の方がむしろ寂しげで

子供たちは相変わらず
訳もなく飛び跳ねています

まだ明るい空には
薄い色の月が上り

甘えた子供にせがまれて
抱き上げると
随分と重く感じられ

この間の子供の心身の成長を
胸の中に感じていました