風のささやき

炎昼や陰と重なる蝶の羽

暑い昼間でした
その日も食事時になったので
皆で外に出かけることにしました

頭上には強い陽射し
その陽射しを受け止めて
熱を持ったアスファルト
蒸せるような暑さでした

暑さに俯きながら歩いていると
道端の木陰にチャバネセセリが
ひっそりと休んでいました
まるで陰の一部ででもあるかのように
静かに羽根をその陰に重ね合わせていました
きっと蝶なりの暑さ対策なのでしょう

踏まれないように注意しろよと
胸の中で呟いて
僕は仲間たちと歩いて行きました