風のささやき

陣痛に憶す電話や夏未明

子供の出産予定日の前日
朝5時過ぎに携帯がなりました
陣痛を告げる電話でした

前の晩には
まだその予兆に確信が持てず
秋田から戻ってきたばかりでした

その電話の瞬間までは
新しい子供の誕生を
あまり実感していなかった自分でしたが
電話口から伝わる話に
一挙に気が引き締まる思いがしました

電話口の向こうの声は
痛みに憶したような声

僕は直ぐに起きだして
朝一番の新幹線で
とんぼ帰りで秋田に出かけました

その日の夕方無事に産まれた
新しい家族は
元気な男の子でした