風のささやき

秋の蝶亡き母の御霊届けおり

晴れた秋の午後のことでした

子供たちが遊ぶのを見ながらベンチに座り
その日は何故か
亡き母のことを考えていました

走り回っている自分の子供の姿も
見てもらいたかったなと
そんなことを思ったりしていました

そんな子供たちを見守る僕の視界に
秋の蝶がヒラヒラと下りてきたのですが
その軽やかな背中には何故か母の御霊が
僕の呼びかけに応えるかのように
運ばれて来た気がして

蝶がもっと側に来てくれるようにと
僕はそちらの方に
手を伸ばしていました