風のささやき

雨降りや飛び出すなちび蝸牛

雨が降りだすと
生まれたての
小さなカタツムリがたくさん
道に這い出してきます

足もとをちゃんと見ていないと
ほんとうに気がつかない小ささ
これで生きているのかと疑わしいほどなのですが
良く見ると確かに動いています

当然のことながら
踏まれてしまったカタツムリもいて無残です

その屍を気にすることもなく
後から後から小さなカタツムリが
雨に誘われて出てきます

もう飛び出すんじゃないよと
小さく声をかけるのですが
その声は赤信号程の効果はなく

小さなカタツムリたちは
道路に向かって行進を続けました