風のささやき

耐え柔く地蔵のお顔暮の春

道を歩いていたら
お地蔵様を見つけました

いつからそこにいるのでしょう
顔の輪郭から察するに
随分と古いものに感じられます

このお地蔵様は一体どんな願いの数々を
耳にしてきたのでしょう
そうしてそれをじっと受け止めて
何を感じてきたのでしょう

長い歳月を苦しみを聞き
耐え抜いてきた顔は
どこか柔和に感じられます
その前では自分をさらけ出しても
受け止めてもらえそうな安心感があります

僕はそのお地蔵さんに手を合わせて
一つ二つとお願いをした後
その場所を後にしました