風のささやき

霙れるや村落棚田白き海

冬の日本海沿いを走る電車に乗っていました
空はどんよりと曇り
時々霙や雹も落ちて来ました

窓の外には寒々しい風景が広がっています
海沿いの小さな村落は
背を小さくしながら寒さを一生懸命に
こらえているようです

山間の棚田は真っ白な雪を敷き詰め
静けさをたたえるばかりです

そうして霙をいくらでも飲み込んで行く海は
激しく波打ち白く見えます

その風景に吸い込まれて
心が寒々とする感じを覚えて
僕は思わず目を閉じて
その風景から自分を遮断していました