風のささやき

冬日さす墓地の御霊のなお燃えて

電車の車窓から墓地が見えました

自分の目線の上の
小高い丘のようになった場所に
作られた墓地でした

その墓地全体が冬の朝の陽射しを受けて
燃え立つように見えました

普段は静けさを感じるばかりの墓地ですが
紅に彩られたその場所では
眠っていた命が呼び起こされて
動き始めようとしているかのように見え
とても不思議な光景に感じられました

僕は後ろに遠ざかってゆく
生気を帯びた墓地を目で追っていました