風のささやき

薄藍の舞う影静か秋の蝶

茶色の羽の小さな蝶が
柔らかな秋の陽ざしのなかで
空を舞っていました

ときどき花にとまり
静かに蜜を吸い
それから次の花を巡るのですが
 
自分の力で舞うというより
風に流されている頼りなさです
体の力も尽きかけているのでしょうか
 
その命が長くはないことを暗示するように
羽ばたく姿が地面に落とす影も
どこか薄い色をして
哀れな感じを覚えました