風のささやき

海老食みて何故か寂しき秋の暮

その日の夜は
スーパーで買ってきた海老を食べました

特に海老を食べたいと
思ったわけではないのですが
既に茹でてあった
大振りの海老の赤い色に
何故か惹かれたものです

久しぶりに口にした海老は
独特の食感で
味も悪くなかったのですが
何故か口の中から
寂しさが広がって行きました

室生犀星さんの遺作で
「老いたるえびのうた」という作品があるのですが
それとの連想で感じたものなのでしょうか

秋は胸にしみ込み過ぎて
困らせられる場面もあります