風のささやき

欄干に丸き鳩なり冬茜

一人土手を散歩していました
夕刻になるに連れて寒さが
服の間に浸み込んできます

川の流れてくる方には大きな夕日が
沈んで行こうとしています

今日はそこで過ごそうと言うのでしょうか
一羽の鳩が橋の欄干にじっとしていました

温かな羽に守られているとは言え
鳩も随分と寒く感じているのでしょう
体を丸めてまるで鞠のようです

夕日が落ちる前に帰れよと
その鳩に向って心の中で呼びかけていました