風のささやき

主の居ぬ破れ蜘蛛の巣三日の月

お酒を飲んで夜遅くなった帰り
人も少なくなったホームで
電車が来るのを待っていました

手持ち無沙汰で
辺りに視線を泳がせていたら
破れかけた蜘蛛の巣が目に止まりました

良く見ると蜘蛛の姿もなく
大分前から捨てられた状態になっていたのでしょう

そこに捕まる間抜けな虫はおらず
ただ三日月だけが捕らえられていました