風のささやき

秋風や車窓に身投げる蝶もあり

爽やかな秋の風に誘われて
ふらりと近場に遊びに出かけました

電車に乗って何も考えずに
風景を眺めていたのですが
青く晴れた空の下を流れていく景色には
飽きることがありませんでした

そんな風景の中から
急に窓に飛び込んでくるものがいました
一匹の小さな蝶でした

人には爽やかな風も
蝶にとっては
短い生の終わりを伝える
不吉な使者なのでしょうか

その様は
まるで自分の生い先の短さを嘆き
自ら車窓に身を投じたようにも見えて
胸に痛みを覚えました