風のささやき

夏なのにもう落ちるのか未熟の葉

台風一過のその日は
真っ青に空が晴れ上がっていました

地下鉄の出口から足を踏み出すと
陽射しの強さに一瞬目がくらむようでした

僕は額に汗が滲むことを感じながら
いつもの道を歩いていたのですが

一瞬気持ちのいい風が吹いてきたかと思うと
街路樹の銀杏がざわめき
それから乾いた小さな葉が落ちて来ました

まだまだ夏の暑い盛り
これから陽射しを受けて大きくなれるはずが
散ってしまった葉っぱに
一抹の寂しさを感じていました