風のささやき

溜息も哀しさ帯びぬ熱帯夜

夜も遅い時間
それでも暑さが和らぐ気配はなく
寝転がっているだけなのに
汗が湧いてきます

窓を開けても
風が吹く気配もなく
カーテンは微動だに動かないまま

その日の出来事を考えて
自己嫌悪に陥る溜息も
熱を帯び少しも
物思いの憂いを伝えません

そのうち考えることが
馬鹿らしくなり
シャワーを浴びるため
立ち上がりました

哀しみが似合わない熱帯夜です

 #2005 夏に