風のささやき

お日様を手にしたようで丸蜜柑

川べりに沿った
野原を歩いていました
一面が枯草色で覆われて
生命の息吹がほとんど感じられません

そこに冷たい風が吹いてくると
なおさら寂しい気分になります

僕はポケットに手を入れたのですが
その中には昼に食べ残した蜜柑が一つ

そっとその丸い蜜柑を手の中に入れて
取り出したのですが
蜜柑の暖かな色合いに陽射しが一瞬で集まり

手の中が暖かくなったような気分を覚えました