風のささやき

空遠く追いつけなくて秋の蝶

秋の気配が風景に染みて行くにつれ
冷たくなっていく地上を嫌ってか
空が高さを増して行きます

その空に追いつこうとしているのでしょうか
小さな蝶が空高く舞っていました

きっと蝶は自分の生きられる時間の少なさを
予感しているのでしょう
その最後の場所として
青空にたどり着こうとしているように思えて

けれどそれを拒絶するかのように
空は日毎に高くなる一方です