風のささやき

夢爆ぜた未練いつまで百日紅

歩いていたら薄い紅の
百日紅が咲いていました

夏の終わりの頃
ふと顔を撫ぜる風に
秋の気配を感じました

けれどその心地よい風も
ものうく感じられました

胸のなかで潰れた
一つの小さな夢
それが現実であることを
また胸に覚えて

何かが弾けたような
百日紅の花に
夢の残骸を見るようでした

 #2004 夏に