風のささやき

少年の憧れいずこ夏木立

陽射しの強い日でした
大きな木立が黒い影を作っていたので
その木陰に涼もうと逃げ込みました

汗を拭いながら
ホッと一息をついて眺めると
頭上には青いだけの空が広がっています

少年の頃の夏の日
こんな風に木陰から
青い空を眺めては
自分でも止めることのできない
胸の高鳴りを感じていました

その胸の高鳴りも
今では感じることもなく
少年の日の憧れだけが
青い空の向こうで燻っているようです