風のささやき

いじらしき若さ余して夏木陰

夏の強い陽射しを避けようと
木陰のベンチに逃げ込みました

汗を拭いながら
ホッと一息ついて見上げると
雲もない青空が広がっています

若き夏の日
木陰から青い空を眺めては
自分でも止めることのできない
胸の高鳴りを感じていました

その胸の高鳴りも若き日の葛藤も
今は感じることもなく
あの日のいじらしい思いだけが
空の向こうでまだ燻っているようです

 #2004 夏に