風のささやき

空蝉やベル押す間もなく旅の空

朝歩いていたら
平屋の玄関の呼び鈴のすぐ下に
蝉の抜け殻があることに気づきました

きっと前の日の夕方に
地中から這い上がって来たのでしょう
近くには大きな木もあるのに
何故こんなところにと思い

旅立ちを知らせようとしたのか
それとも脱皮の最中の
見張り番を頼もうとしたのかと
勝手な想像を膨らませていました

蝉の抜け殻を見たのは
随分と久しぶりのこと
朝日を浴びて薄くすけている
その形状をしばらく眺めていました