風のささやき

降る落葉また天翔けて蝶と知る

色とりどりの落ち葉が
鮮やかな道を一人歩いていました 

見上げれば
黄色く染まった銀杏は
休むことなく葉を落とし
風がそんな枯葉を見えない糸で引くように
音を立てながらどこかへ運んで行きます

そんな様子を見ながら歩を進めていたのですが
急に足元から一枚の葉が飛び立ちました

落ち葉かと思っていたものは
身を潜めた白い蝶でした
どこか力ない羽ばたきの白い羽

こんな冷たい空の下
一体どこへ飛んで行くのだろうと
消えていくその姿を見ていました