風のささやき

いつからかよそよそしくて秋の風

夏に吹く風は
肌にまとわりついて
しつこいぐらいでした 

暑い風に手をのせられると
肌もしっとりと汗ばみます

それが秋になると
風もどこか大人びたように
そ知らぬ顔で吹きすぎて
少しの肌寒ささえ残していきます 

街角で風に吹かれた僕は
いつからこんな
風がよそよそしくなったのだろうと
遠くない記憶をたどっていました