風のささやき

蝉の声過ぎ去りし日のそのままに

暑い真昼時に街を歩いていたら
どこの木陰から
蝉の声が聞こえてきました

蝉の声は僕の中では
幼い時分の夏休みに
遊びに出かけた故郷の
野山の思い出と結びつき
手足を真っ黒にして
走り回っていた自分を思いおこさせます

幼い頃からはだいぶ変わってしまった
自分を思うとき
あの頃と少しもかわらないままの蝉の声には
どこか苦いものを感じるときもあります