風のささやき

手に昼の熱を語るは庭の枇杷

夕暮れどき
とある家の庭に
枇杷がたくさん実をつけていました

良い色になっているのですが
一つ一つの実は随分と小さく
まだ食べるには適してはいないのか
ほったらかしにされている様子

手の届くところにあった
びわの実に触れると
一つ一つの実が
昼間の熱を手に伝えました

こんな小さな実にも
まだ熱がこもっていることが不思議に思えて
その実にしばらく触れていました

 #2002 夏に