風のささやき

晩涼を蹴鞠のごとく君の下駄

浴衣を着て隣を歩く人は
足元にも可愛い鼻緒の下駄をはいていました
その姿に夏の夜は涼しくなるようです

心地の良い風も吹いて
その人が歩く度に
大地から解放されて
軽く空中に投げ出される下駄
まるで蹴鞠が跳ねるようです

素足にも涼しさをまとって
その人は歩いていました