風のささやき

赤とんぼ触れて川面に夕べの火

秋の気配が迫るにつれて
赤とんぼはその色を深めていくようです

それは、遅くなく訪れる
彼岸の時間に向けて
小さな命の勢いを高めているかのようです

産卵のためでしょうか
赤とんぼが水面近く飛んで
おしりを川面につける仕草をしていました

夕暮れの中で繰り替えされるその行為は
真っ赤に燃えた体で
川に炎を点そうとしているかのようでした