白鳥神社―お仮屋―


[Okariya]

お仮屋は2本の杉の大木に挟まれるようにして建っている。 秋祭りになると中村部落治源原(じげんばる)にある下社から ここへ御輿が運ばれてきて、蔀戸の奥に納めれるのである。

お仮屋の舞台では神楽が舞われる。白鬼のようなお面を付け た日本武尊が八俣の大蛇を剣で突き刺すと、大蛇は口から花火 の火花を散らしながらのたうち回る。子供の頃に見たそんな恐 ろしい光景が今でもありありと浮かんでくる。

お仮屋前の100坪ほどの敷地には香具師の露天が並び、子供 たちは綿菓子で口の回りをべとつかせながら、錆びた鉄砲の玩 具を狙って決して当たることのない籤を一心に引いたりするの だ。

入口付近の道を少し筌ノ口温泉方面へ戻ったところには、震 動の滝へと続く大崩落が見られる。


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