KEW.RHONE
THE LODGE

Peter Blegvad & John Greaves

 1975年ヘンリー・カウを脱退したピーター・ブレグヴァドはニューヨークへと渡り76年に同じくピーターの後を追うようにヘンリー・カウを脱退したジョン・グリーヴスと共にリサ・ハーマン(Vo)を加えニューヨークで活躍するニュー・ウエイヴ・ジャズのコンポーザー/アレンジャー/ピアニストとマルチな才能を発揮する才女カーラ・ブレイと夫マイケル・マントラーの協力のもと「KEW.RHONE」というアルバムを制作。このアルバムはヘンリー・カウ時代には解らなかった作詞家としてのピーターと作曲家としてのジョンの才能が開花された傑作となった。
 その後ジョン・グリーヴスはマイケル・マントラーのバンドやナショナル・ヘルスでベーシストとして活動する。一方ピーターは83年にXTCのアンディ・パートリッジの協力のもと「The Naked Shake-speare」という1stソロ・アルバムを発表。次いで85年2nd「Knights Like This」発表。ジョンも83年「Accident」84年「Parrot Fashions」を出しています。
 85年ピーターはニューヨークのアントン・フィアー率いる先鋭アグレッシブ・ポップロックバンド「ゴールデン・パロミノス」に参加。これをきっかけに82年頃から不定期にライヴ活動を行っていた「THE LODGE」はメンバーをゴールデン・パロミノスのアントン・フィアー(Ds)、カンタベリー・シーンの若手実力派のジャコ(G,Vo)、ピーターの兄弟のクリストファー・ブレグヴァド(Vo)にピーターとジョンとして88年に「Smell of A Friend」を発表。
 「THE LODGE」はアルバム1枚だけを残しメンバーはまたそれぞれソロ活動に移り89年ピーター・ブレグヴァドは3rd「Downtime」を90年に4th「King Strut & Other Stories」95年にはジョンそして同じくヘンリー・カウのクリス・カトラーと3人で5th「Just Woke Up」98年には「HANGMAN'S HILL」を発表しています。
 一方、ジョン・グリーブスも90年に3rd「Little Bottle of Laundry」を91年にはデヴィッド・カニンガムとのコラボレーション・アルバム「greaves.cunningham」、95年にピーターとのデュオ「Unearthed」そして96年にはジョン自身による過去の作品のカバー集「songs」という素晴らしいアルバムを発表し、現在はフランスを拠点とし、現地のミュージシャン達とも積極的に交流を図って作品を作り続けているようです。
 そして98年についにピーター・ブレグヴァド、ジョン・グリーヴスはクリス・カトラーと共に初来日し素晴らしいコンサートを私たちに見せてくれました。

John Greaves,Peter Bregvad,Lisa Herman「KEW.RHONE」

ピーターとジョンの才能が開花した現在の活動の原点ともなる作品。凝りに凝った詩やリズムが迷宮的内容を持つ怪しくもすばらしい傑作。98年にジャケも一新しEnhansed CDとして再発
[1977 Virgin/1998 Voiceprint]

THE LOGDE「SMELL OF A FRIEND」

シーンの若手新人ジャコのギターも冴え、ゴールデン・パロミノスの逆影響かとても聞きやすいアヴァンポップロック?とても良いです。
[1988 Island Records]

Peter Blegvad「The Naked Shake-speare」

XTCのアンディ・パートリッジをプロデュースに迎えた1stソロ曲はポップだけどどこかひねくれた暗い裏街道の始まりを予感。デイブ・スチュワートがプロデュースした2曲が良いです。
[1983 Virgin]

Peter Blegvad「KNIGHTS LIKE THIS」

前作にも参加していたデヴィッド・ロードをプロデュース&アレンジャーに迎え、少々派手目なニューウエーブ的仕上がりとなった好作品。
[1984 Virgin]

Peter Blegvad「downtime」

ソロ3作目は古巣イギリスに戻りクリス・カトラー、アンソニー・ムーアやジャコも参加した意外にオーソドックスなロック・アルバム?
[1985 ReR]

Peter Blegvad
「KING STRUT & Other Stories」

再びアンディ・パートリッジをプロデュースに迎えたソロ4作目カントリータッチの心に染みいる作品の数々と表題曲はパートリッジと共作でひねくれたポップの王道。
[1990 Silvertone Records]

Peter Blegvad「JUST WOKE UP」

ヘンリー・カウ以来の同友ジョン・グリーブスとクリス・カトラーの3人で作った地味ながらも活気溢れる骨太なパブ・ロック風。カッコイイです。
[1995 East Side Digital]

Peter Blegvad「HANGMAN'S HILL」

前作同様ジョン・グリーブスとクリス・カトラーによるトリオをメインにスラップ・ハッピーの「サ・ヴァ」収録曲のオリジナル・ヴァージョンも聴け、シンプルながらとても聴き応えある傑作。
[1998 ReR Megacorp]

Peter Blegvad「CHOICES Under Pressure」

新たにアコースティックなアレンジでレコーディングし直したセルフ・カバー集。グリーブスの「Songs」といい彼らの再レコーディング物にはすばらしい物が多いです。
[2000 Resurgence]

John Greaves「ACCIDENT」

LODGEのアルバム挿入曲「Milk」やSongs でもとりあげられた「Silence」を含む1st ソロ。現在の彼の原点がここにあります。
[1983 Blueprint]

John Greaves「Parrot Fashions」

拠点をパリに移し制作された2nd。
名曲「Swelling valley」を含むフランスの香りも漂う初期の傑作。
[1984 Blueprint]

John Greaves「Little Bottle of Laundry」

アフリカン的パーカッションやブラスバンドも起用しコーラスなども凝りに凝った作りがなされ多彩な楽曲が並ぶ好作品。
[1990 Blueprint]

John Greaves「Songs」

ロバート・ワイアットなど多彩なゲストを招き過去の曲を新たに録り直した作品。長年純粋にアーティストとし音楽を志してきた者だけがたどり着ける世界といった趣を感じる傑作!感動...
[1996 Resurgence]

John Greaves「The Caretaker」

ピーター・ブレグヴァッドのカバーをはじめ、初期のソロ作品を思わせるロック色の強いアグレッシブな作品で、これまたかっこいいです!
[2001 Blueprint]

John Greaves「Loco Solo: Live in Tokyo」

98年6月初来日時のソロ・ピアノ弾き語りコンサートを収録。ソロ・アルバムからの曲の他「KEW.RHONE」や「SMELL OF A FRIEND」からも選曲。独特の空気が張り詰めた会場での熱唱が深い感動を呼んだ!
[2001 Locus Solus]

John Greaves・Elise Caron「CHaNSONS...」

グリーブス流シャンソンといったアルバムで、グリーブスは全作曲と演奏に徹し、ヴォーカルにはフランスのジャズ歌手で女優でもあるElise Caronを起用しグリーブスらしいメロディがとても心地よい。ワイアットもゲスト参加し色を添える。
[2004 Le chant du monde]

[ Slapp Happy & HENRY COW / National Health ]