クリス・カトラー、この人の活動を全て把握するのは至難の業です。とても私の手に負えるものではないので、ほんのさわり程度の紹介となりますが、あしからず。
ご存じヘンリー・カウのドラマーとして活動を始めロック、アヴァンギャルド・シーンに決定的影響を与えるが、Virginレーベルから突然解雇され、それに伴い彼らの経理担当だったニック・ホップスが中心となってRock
In Opposition(R.I.O=反体制ロック)が組織され、同時にカトラーとホップスはRecommended レコードを設立しヨーロッパの当時無名のアーティストを世界に向けディストリビュートしていく(やがてRecommendedは自らレーベルとしても立ち上がり、現在もReR
Megacorpとして運営されている)。
Virginを突然解雇されたヘンリー・カウだがメンバーにより新たにアート・ベアーズが生まれこれまたロックシーンに多大な影響を及ぼしカトラーは詩人としても高く評価される。一方フリスとのデュオ・インプロヴィゼーションではその気迫に満ちた圧倒的プレイで聞く者を魅了し続ける。
その後ヘンリー・カウは解散するがクリスはNEWS FROM BABELやアクサク・マブールなどに参加し、82年にドイツで活動する現代音楽家としても有名なハイナー・ゲッペルズ、アルフレッド・ハルトらとカシーバーが結成され詩人・インプロヴァイザーとしてさらに磨きがかかるが、このグループは92年の来日の後解散した。
その間にも世界中のミュージシャンと共演をするがその数は計り知れず、主なものにはペル・ユピュやそのリーダーのデヴィッド・トーマス、ドイツのパーフェクト・トラブルやルッツ・グランディーンにアメリカはジーナ・パーキンスなど、93年にはエイミー・デナイオらとThe
(EC) nudes が結成される。そして95年にはソロ・アルバム「p53」が発表され他にはイタリアのN.O.R.M.A.などと共演。
98年にはピーター・ブレグヴァド、ジョン・グリーブスと共に来日し、99年にはゴング・トリオとしても来日を果たし、その際には日本のミュージシャンとも数回のセッションが行われている。
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CASSIBER「man or monkey」 カトラーの詩だけを用意したインプロだそうだが、とてもそうは思えない完成された楽曲にも聞こえる鳥肌ものの凄いデビュー作。 |
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CASSIBER「Beauty and the Beast」 カシーバーの2作目。前作が凄すぎただけに少々まとまりにかける気もするが、しかしやっぱり凄いです。11曲目のハルトなんか感動もの。 |
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CASSIBER「PERFECT WORLDS」 カシーバーの3作目。ハルトの脱退に伴い前作までの方法論を変えある程度の作曲行為をしたもののスリリングかつ刺激的な凄いアルバムになりました。 |
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CASSIBER「A Face We All Know」 カシーバーの4作目。前作の延長線上のアルバムですが、相変わらず密度の濃いすばらしい内容のアルバムに仕上がってます。 |
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CASSIBER「LIVE IN TOKYO」 92年の来日公演によるすばらしいライヴ。ゲストの篠田昌巳氏はこの1ヶ月余後に亡くなり、カシーバーもこの年解散しました。 |
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「ReR Quarterly Vol.1 Selections」 レコメンのオムニバスCD。フレッド・フリスも加わったDUCK AND COVER と CASSIX による貴重なライヴが聞けます。 |
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Chris Cutler/Lutz Glandien「Domestic Stories」 フレッド・フリスやダグマー・クラウゼの参加でアート・ベアーズなんかを思わせる隠れた名盤? |
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Chris Cutler/Fred Frith Live Vol.2 継続的に行われたフレッド・フリスとのデュオインプロ集の第2弾。いつ聞いても圧倒的なテンションに感動を覚える91年と78年のライヴが収録 |
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Chris Cutler「p53」 クリス・カトラー唯一のソロ名義によるこのアルバムは、 |
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the (EC) nudes「Vanishing Point」 クリスにトーンドッグスやFo Mo Flo のエイミー・デナイオとヴェディ・ギィシィによるグループでかなりのアヴァンギャルド・ロックをポップにきかせとてもいい感じです。しかしアルバム発表後にカトラーは脱退します。 |
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CUTLER>TICKMAYER>DRAKE>THE SCIENCE GROUP カトラーにボブ・ドレイクとステファン・ティックマイエルを中心にF・フリスやエイミー・デナイオもゲスト参加している久々のアヴァン・ロック・サウンド。 |