カイロプラクティックに関する調査・研究報告

1996.06.24 〜 2005.05.04
 10年ほど前から、カイロプラクティックの有効性や費用効率に
 関する画期的な調査報告が続々と発表されています。それらの
 中から、めぼしいものを集めてその概要をご紹介します。
(訳者名の記されていないものは当サイト管理人による訳です)

line2

<カイロプラクティックの有効性に関する研究>

1.ニュージーランド・レポート
2.ランド・レポート
3.病院とカイロプラクティックの腰痛治療の比較(BMJ)
4.腰椎後方変位の回復率・・・全文訳はこちら(05.05.03)
5.カイロプラクティックと理学療法の症例対照試験
6.50年間のカイロプラクティック文献の評価調査
7.腰痛に対する脊柱マニピュレーション
8.線維筋痛症の謎(05.05.04)
9.日常の健康:線維筋痛症(05.05.04)

<カイロプラクティックの費用効率に関する研究>

1.カイロプラクティックによる腰痛治療の費用効率
2.構造上の腰痛:医学的治療とカイロプラクティック治療の比較
3.同一診断病名ー腰部傷害に対するカイロプラクティックと
  医学治療の費用の比較
4.カイロプラクティック治療に対する健康保険による委任補填:
  バージニア州に関する経済上の評価
5.カイロプラクティックと代替医学療法との費用の比較
6.カイロプラクティックの利用者は、総健康費用が充分に
  低い傾向がある


<カイロプラクティックの歴史>

カイロプラクティック・マニピュレーションの沿革(04.01.28)
line2

ニュージーランド・レポート

ニュージーランド・レポート(377頁)
Report of the Commission of Inquiry, Government Printer,
New Zealand, 1979, Inglis, BD, Chiropractic in New Zealand

ニュージーランド政府のカイロプラクティックに関する調査委員会
報告書ー序説の要約

*カイロプラクティックは非科学的ではなく、安全で、脊椎手技療法を
 専門とする治療の一分野である。

*近代的カイロプラクティックは、「非科学的カルト」からはほど遠い。 

*カイロプラクティックは、脊柱の生力学的な障害に関する手技治療を
 専門に行なう治癒芸術の一分野である。

*カイロプラクターは洗練され緻密なレベルで脊柱の診断と治療を
 実践している。

*カイロプラクターは、脊柱の手技治療を実践できるように教育され、
 訓練されている唯一の健康開業医である。 

*一般的な開業医や物理療法士は、少数が卒業後に脊柱手技療法を
 獲得してはいるが、脊柱手技療法の適切な訓練を受けていない。

*登録されたカイロプラクターによる脊柱の手技治療は安全である。 

*登録されたカイロプラクターの教育・訓練は、充分に行なわれている
  ので、彼らは特別な症例における脊柱手技療法が禁忌があるかどうか、
 そして患者がカイロプラクティック治療はもちろんのこと、
 それ以外に西洋医学の治療を受けるべきかどうかを判断できる。

*脊柱手技治療の訓練に対する責任は、その専門的な性質のために、
 カイロプラクティック業界が負うべきである。

*他の医療専門家のための脊柱手技療法のパートタイムあるいは
  休暇コースは、奨励さるべきではない。 

line2

ランド・レポート

 腰痛に対する脊柱マニピュレーションの適切性
 ーー研究の概観と文献の概説ーー
 The appropriateness of spinal manipulation for low-back pain.
 Project overview and literature review.

 Shekelle PG, Adams AH, Chassin MR, et al. The appropriateness 
  of spinal manipulation for low-back pain. Project overview and 
  literature review. RAND STUDY-CHIROPRACTIC REPORT Vol.5 No.6, 
 RAND Corporation, Santa Monica, California, 1991


 世界的に定評の高い米国のランド研究所は、カイロプラクティックが
 特定の腰痛に有効であることを膨大な調査研究の下に論証した。

 *ランド社は現在、腰痛の処置に関して脊柱手技療法の使用の適用と
  適切さを評価する4つの部門の研究に従事している。 研究
 (科学文献の包括的な調査)の第一段階が終了した後に、研究者は
  特定のタイプの腰痛治療に脊柱手技治療の使用を支援する十分な
  証拠があったと結論した。


 *高名なランド社によってなされたこの研究は、医学共同体の
  代表者が、ある特定の腰痛に対してカイロプラクティックが適切な
  処置であると公式に述べた初めての例である。第二に、全ての
  カイロプラクティック研究委員の評価は脊柱手技療法が特定の種類の
  腰痛に適切であるという学際委員会の意見と合致している。
  合衆国内の多くの場所でカイロプラクティック患者のカルテを
  調査している利用研究が、現在行なわれている。これによって、
  調査担当者は実際の病院関連の症例を調べ、それぞれの状態が
  実際にはどのように流行しているかを調べることができるだろう。


line2

病院とカイロプラクティックの腰痛治療の比較(BMJ)】

 物理的原因による腰痛:カイロプラクティックと病院の外来患者の
 治療に関する無作為化による比較
 Low back pain of mechanical origin: randomised comparison 
 of chiropractic and hospital outpatient treatment. British 
 Medical Journal, Vol. 300, 1990, pp. 1431-1437. T.W.Meade(*),
 Sandra Dyer, Wendy Browne, Joy Townsend, A.O.Frank British 
 Medical Journal vol.300 no.6737 pp.1431-37 Date:1990-JUN-2

 (*)Medical Research Council Epidemiology and Medical Care Unit
    (英国医学調査委員会)
 (*)Northwick Park Hospital,Harrow,Middlesex(論文発表当時)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
概要(ABSTRACT)】

目的:
 構造上の原因に基づく腰痛治療に関して、カイロプラクティックと
 病院外来の治療を比較すること

研究デザイン:
 無作為化による症例対照試験。最小化によって、カイロプラク
 ティックと病院での治療に振り分け、最初のクリニック受診、
 現症の継続期間、経過、腰痛の程度などに応じた結果分析の
 ためのグループを確立する。患者は最大2年間にわたって
 追跡された。

場所の設定:
 11ヶ所のカイロプラクティック・クリニックと病院外来

被験者:
 18〜65才で、腰痛を持っている741人の男女で、手技療法が
 禁忌でないと判定され、かつ過去1月の間に治療を受けて
 いない患者

介入・治療:
 ほとんどの患者にカイロプラクティック手技を行なったカイロ
 プラクターの自由裁量による治療と、最も一般的にはMaitland
 モビリゼイションまたはマニピュレーション、あるいはその
 両方を用いた病院スタッフの自由裁量による治療。

結果の主な測定法:
 オスウェストリーの疼痛不能質問表
 (Oswestry pain disability questionnaire)における
 スコア変動と、伸展下肢挙上テスト、腰椎屈曲のテスト結果の
 変動

 オスウェストリーの疼痛不能質問表
 (Oswestry pain disability questionnaire):
 痛みの強さ、物を持ち上げるときの困難さの程度、歩行、旅行など
 10項目について、0%(痛みや困難なし)〜100%(痛み、困難さが最強)
 までの範囲で表現する。

結果:
 主として、慢性または重症の腰痛を有する患者について、
 カイロプラクティック治療の方が病院外来の治療よりも有効であった。
 2年後では、オスウェストリーの疼痛不能質問表のスケールで、
 7%(p<0.01)の有利性が認められた。
 追跡調査の全期間を通して、カイロプラクティック治療の有効性は、
 より一層顕著になった。二次的な測定結果でもカイロプラクティックが
 より有効であることが示された。

結論:
 手技治療が禁忌でない腰痛患者に対しては、病院での外来患者治療に
 比較して、カイロプラクティックは、ほとんど確実に行なう価値があり、
 長期間の有利性がある。その利点は主に、慢性または重症の痛みを
 有する患者に認めらる。NHS(訳者注:National Health Serviceの
 ことか?)へのカイロプラクティックの導入が考慮されるべきである。

経済波及効果:
                       カイロプラクティック    病院
治療費用(1988-89年)   165 ポンド/人      111 ポンド/人

 英国では毎年30万人が腰痛で病院を受診する。そのうち7.2万人は、
 マニピュレーションの禁忌ではないと予想される。これらの患者
 全員が病院で治療受ける代わりにカイロプラクティックの
 治療を受けた場合、余分にかかる年間費用は、およそ4百万ポンドになる。

 今回の調査結果から類推すると、これによって2年間で29万日の休業を
 解消できる。これは1300万ポンドの支出節約となり、290万ポンドの
 社会保険料の支払いを節約できる。
比較の図


line2
 カイロプラクティックと病院の外来患者の腰痛治療に関する無作為化比較:
 長期追跡による結果
 Randomized comparison of chiropractic and hospital
 outpatient management for low back pain: results from 
 extended follow-up. Meade TW, et al. British Medical Journal, 
 Vol. 311, 1995, pp. 349-351.

 Epidemiology and Medical Care Unit, Wolfson Institute of 
 Preventive Medicine, Medical College, St Bartholomew's 
 Hospital, London

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
概要(ABSTRACT)】

目的:
 カイロプラクティックと病院外来の腰痛治療の有効性を3年以上にわたって
 比較すること。

研究デザイン:
 無作為化によって、患者をカイロプラクティックと病院外来の治療に
 振り分ける。

設定:
 お互いに適度な距離内に存在する11ヶ所のカイロプラクティック・
 クリニックと病院外来

被験者:
 18〜64才で、腰痛を持っている741人の男女で、手技療法が禁忌でないと
 判定された患者

結果の測定法:
 それぞれの治療法について、オスウェストリー質問表の総スコアの変動と、
 痛みと患者の満足度に関するスコアの変動を集計した。

結果:
 オスウェストリーの総スコアからは、3年後の全患者の改善度は、
 病院外来よりもカイロプラクティック治療による方が29%の差で、
 より大きく改善された。痛みに対するカイロプラクティックの有利性は
 特に顕著であった。この試行調査が終了した後も、カイロプラクティック
 治療を受けた患者は、さらに腰痛の治療を受けた。カイロプラクター、
 病院から最初に紹介された患者達のうち、3年後では、病院の治療よりも
 カイロプラクティック治療の方が、有効性が高かった。

結論:
 3年後の結果では、病院の治療よりも、カイロプラクティック治療を
 受けた患者の方が、効果が高く、長期にわたって満足している、
 という初期の報告における結果が確認された。

*********************************
カナダのラジオ放送局のインタビューで、Dr.ミードは次のように
答えている。

「我々の試験によってカイロプラクティックが腰痛に対して非常に
 効率的な治療であることが示された。また、特に過去に腰痛の
 経験がある場合やひどい障害を起こしたことのある患者では、
 従来の病院外来における処置より一層効率的であることが
 証明された。言い換えると、カイロプラクティックは正確には、
 あなたが治療できるようになりたいと思っている患者群に対して
 最も効率的である・・・。意外な発見の1つは、治療較差−病院の
 治療に対するカイロプラクティックの利点−が3年間の長期に
 わたって実際に持続するということであった...それは
 カイロプラクターの行なう処置が、非常に長期の利益をもたらす
 何かを行なうかのように思える。」

line2

腰椎後方変位の回復率

 カイロプラクティック・アジャストメント後の
 静止X線像パラメーターに関する症例対照分析
 A Retrospective Case Analysis of Pretreatment and 
 Comparative Static Radiological Parameters Following 
 Chiropractic Adjustments

 Journal of Manipulative and Physiological 
 Therapeutics vol.13 no.9 pp498-506 1990-NOV-DEC

 GREGORY PLAUGHER,D.C.(1)
 EDWARD E.CREMATA,D.C.(2) 
 REED B.PHILIPS,D.C.,PH.D.(3)

(1)Gonstead Clinical Studies Society:(Director of Research)
(2)Gonstead Clinical Studies Society:(Research Consultant)
(3)Los Angeles College of Chiropractic:(Director of Research)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
概要(ABSTRACT)】
 静止X線像のパラメーター(変数)に関するカイロプラクティック・
 アジャストメントの効果を判定する調査研究を行なった。標準的な
 単純X線撮影法が用いられた。

 症例対照研究の手法(後ろ向き調査)を用いて、処置前後のX線写真から
 データを採取した。
 
 頚椎の前彎、仙骨底の角度、腰椎前彎、肩甲骨の角度、Cobb角、
 アジャストした腰椎分節の後方辷りを、盲検法に従い、フィルム上への
 マーキングによって測定した。

 測定者内および測定者間・信頼度を頚椎前彎と後方辷りに関して
 判定したところ、良好な結果が得られ、いずれも低い標準誤差で
 あった(頚椎前彎では、ピアソンの相関係数の範囲0.89-0.97,
  p<0.01(有意水準)、後方辷りでは、ピアソンの相関係数の
 範囲0.74-0.90, p<0.01(有意水準))。

 処置前後の後方辷りのデータは、およそ34%の有意な減少を示した。

 対照群では、後方辷りの減少は認められなかった。頚椎前彎角、
 仙骨底角、腰椎前彎角、肩甲骨角、Cobb's角では、処置前後での
 相対的な変動は観察されなかった。


line2

カイロプラクティックと理学療法の症例対照試験

 頑固な背部・頸部の愁訴に対する手技治療と理学療法の症例対照試験
 Koes, B.W., Bouter, L.M.. et al. "Randomized Clinical Trial of 
 Manipulative Therapy and Physiotherapy for Persistent Back 
 and Neck Complaints: Results of One Year Follow Up," 
 British Medical Journal, 7 March 1992, Volume 304, p601-605. 

 このオランダのプロジェクトは頑固な背部・頸部の愁訴に対する
 手技療法と物理療法の有効性を比較した。手技治療を受けた
 グループは、より少ない通院回数で、身体の機能はもちろん、
 主訴も大きく改善された。この中でまた、手技治療と理学療法が
 交換可能ではないことが明示された。

 手技治療と理学療法は一般的な開業医やプラシーボ処置より良好
 であること。さらに、手技治療は12ヶ月後ではわずかに物理療法
 より良好であることなどが述べられている。


line2

50年間のカイロプラクティック文献の評価調査

 MacDonald, M.J., Morton, L. Chiropractic Evaluation Study 
 Task III Report of the Relevant Literature. MRI Project 
 No. 8533-D, For Department of Defense, OCHAMPUS, Aurora, 
 Colorado, 24 January 1986. 

 1930年から1981の間に専門誌に掲載された臨床試験の中から、
 Midwest Research Instituteの厳密な規格を満たした18編の
 無作為化された臨床試験が検証された。

 手技治療はプラシーボより優れていた。手技の後に可動性が増大した。
 処置の期間は手技治療群の方が短かった。そして手技の後に側屈と回旋が
 改善された。文献中の多数の症例試験が、カイロプラクティック患者が
 治療結果に対して満足していることを報告している。


line2

腰痛に対する脊柱マニピュレーション

 Shekelle, P., Adams, A.,et al. Spinal Manipulation for 
 Low-Back Pain Annals of Internal Medicine, 01 October 1992, 
 Volume 117, Number 7, PP590-598. 

 腰痛に対する脊柱手技療法の利用と合併症、有効性が第三位の
 購読数を誇る医学雑誌ーAnnals of Intemal Medicine で
 再検討された。本論文では脊柱手技療法が単純で急性の腰痛に有効で、
 慢性の腰痛に対する有効性を評価するために一層多くの研究が
 必要であると結論づけた。


line2

カイロプラクティックによる腰痛治療の費用効率】

カイロプラクティックによる腰痛治療の有効性と費用効率に
関する調査研究:--要約--

 A Study to Examine the Effectiveness and Cost-Effectiveness
 of Chiropractic Management of Low-Back Pain: August 1993
 -- Executive Summary --
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.Pran Manga, Ph.D.
  オタワ大学教授・理事、
  保健監督プログラム局長
  (Masters in Health Administration Program)
   Pran Manga and Associates 社・社長

2.Douglas E. Angus, M.A.
  オタワ大学助教授、
  カナダ保健医療システムの費用効率プロジェクト理事
  クィーンズ大学(オタワ)経済プロジェクト理事

3.Costa Papadopoulos, MHA
  Pran Manga Associate 社の共同経営者および健康管理顧問

4.William R. Swan, B.Comm.
  健康管理経済学会顧問


 このプロジェクトに唯一資金を提供していただいたオンタリオ州政府の
 保健省の支援に対して、心より感謝したい。本報告中で表明された意見や
 見解は著者たちだけのものであり、MHAプログラム、オタワ大学、
 オンタリオ州保健省あるいはオンタリオ・カイロプラクティック協会に
 帰されるべきものではないことを、ここに明記しておく。

ーーーーーーーーーーーーー要約ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

序論】

 カナダの全ての州政府は、深刻な財政困難により、健康管理のための
 費用を抑制・減額することを余儀なくされている。この財政逼迫に
 より、保健医療サービスの費用効率を改善するという最優先の目的と
 共に、根拠に基づいた財源配分に関して、新しく、そして前例のない
 重要事項が導き出された。

 腰痛の分野においては、行政と民間部門に対して、保健医療経費に
 関して多額の軽減と、より大きな費用効率の二つのゴールを達成する
 優れた機会が提出されている。今日、腰痛はカナダにおける疾患と
 就業不能の最も高額な原因になっている−これは、カナダにおける
 医学界、および行政の中で一般的には正当に評価されておらず、
 また理解されていないように思われる現象である。

 腰痛の罹患率と発生率に関する諸々の研究結果は、腰痛が中年層の
 就業不能と病的状態の偏った原因であり、そしておそらくその主要な
 原因ともなっており、他のほとんどの州と同様、オンタリオ州に
 おいても、労働者災害補償の最も高額な原因となっていることを
 示唆している。

 腰痛治療の多くが非効率的であるように思われる。カナダ、
 アメリカ合衆国、英国、その他の国からの根拠に基づくと、
 互いに矛盾する治療法が存在することが示されている。
 それらの多くは、ー有効性に関する何らかの科学的な根拠がある
 としてもー全く根拠のないものであり、またきわめて高額な治療費
 である。それにも拘わらず、腰痛による就業不能のレベルは増加
 している。

 オンタリオ州における腰痛は、理学療法士も重要な役割を担って
 いるという理由から、彼らと共に、そのほとんどが開業医と
 カイロプラクターによって治療されている。医学的な医療
 サービスは完全に保険で賄われているが、カイロプラクティック
 治療は、その一部が保険でカバーされるのみである。腰痛患者は、
 カイロプラクティック治療に対して最高額の自費による出費を
 被っている。現実にも、医学治療に対しては、薬の例外を除いて
 自費による出費は負担する必要はなく、そして理学療法サービスに
 対する自費出費は、これらの二つの状態の中間のどこかに
 位置している。

 開業医、カイロプラクター、理学療法士および他の専門家の
 各種を組み合わせると、腰痛治療にはおよそ36通りの治療法が
 ある。本研究においては、我々は主としてカイロプラクティックと
 医学的方法による腰痛治療の有効性と費用効率に焦点を合わせた。

--------------------------------------------------------------
調査結果】

F1
 種々の根拠、特に最も科学的に妥当な臨床上の諸研究によれば、
  カイロプラクターによって行われる脊椎矯正手技が、腰痛に対する
 その他の治療よりも一層有効であることが証明されている。
 多くの医学療法は、その妥当性が疑わしいか、あるいは明らかに
 不適切である。

F2
 カイロプラクティックによる脊椎矯正手技が腰痛治療に対して
 危険であることを暗示したり示唆するような臨床研究や症例
 対照研究は存在しない。若干の医学治療が同じように安全
 であるが、他の治療は危険であり、腰痛患者に医原性の合併症を
 招く。文献調査によると、カイロプラクティック手技は腰痛の
 医学的治療より安全であることが示唆されている。

F3
 カイロプラクティックの腰痛治療に関する有効性や効力の、
 さらなる臨床的根拠を要求することは慎重に行うべきであるが、
 諸文献が我々に明らかにしたことは、腰痛の医学的治療の妥当性に
 関する臨床上の根拠が、さらに一層必要であるという事実である。
 実際に、現在のいくつかの医学的腰痛治療は、現在の臨床試験に
 則ると、一般的には禁忌である。同様に、カイロプラクティック
 以外の専門家によって脊椎矯正手技が行なわれると、その安全性が
 低く、また有効性が低いという文献学上の根拠がある。

F4
 カイロプラクティックによる腰痛治療が、医学治療より一層
 費用効率が高いことを示す、圧倒的な多数の根拠が存在している。
 この結果を支持し、結論を確信させることに非常に説得力のある
 多数の研究を我々は再検討した。説得力のある議論や対立する
 根拠が欠如していることは注目すべきであり、また我々の結論と
 勧告を作り出す上で重要である。その根拠には、同じ診断結果に
 対してカイロプラクティックの費用が少なくて済むことと、
 臨床上の治療の必要性を示している研究が含まれている。

F5
 開業医からカイロプラクターへと、さらに多くの腰痛治療が
 移管されたなら、費用の節減は一層大きくなるであろう。
 カナダや他の国の根拠からは、毎年何百万ドルもの潜在的な費用が
 節減されることが示唆されている。文献は明確に、そして
 首尾一貫してカイロプラクティック治療による主な費用節減は、
 補助的治療が少ないことと、れにかかる費用が少ないこと、
 そして入院が非常に少ないこと、慢性問題の回復率が極めて
 高いこと、また就業不能のレベルと期間が非常に低くて済むこと
 などに由来していることを示している。労働者災害補償に関する
 種々の研究によれば、同じ腰痛診断を受けた労働者たちは、
 開業医の治療を受けるよりもカイロプラクティック治療を
 受ける方が、遥かに速やかに仕事に復帰することが報告されている。
 このことは、直接的かつ間接的な費用の大いなる節減へと結びつく。

F6
 患者がカイロプラクティックによる腰痛治療に対して非常に満足
 しており、逆に開業医による治療にかなり不満を抱いているという
 尤もな経験的根拠がある。患者の満足度は重要な健康結果指標と
 なるので、カイロプラクティックによる腰痛治療を支持している
 臨床上また保健上の経済結果に、さらに重点がかかる。

F7
 公的医学が認めないことや経済上の意欲をくじく(高額の自費負担)
 にも拘らず、カイロプラクティックの利用は何年にもわたって
 着実に増加している。今やカイロプラクターたちは、一般大衆からも、
 また増え続けている多くの開業医たちからも正当な治療職として
 受け入れられている。

F8
 我々の観点に基づく種々の根拠は次のようになる。
 (a)カイロプラクティックによる腰痛治療の有効性と費用効率
 (b)未検証で、疑わしく、あるいは有害な性質の、現在実施されている
   多くの医学療法
 (c)医学治療と比較したときのカイロプラクティックによる腰痛治療の
   経済効率
 (d)カイロプラクティック治療の安全性
 (e)カイロプラクターたちの患者が表明する高い満足度

 以上の事実はともに、腰痛治療においてカイロプラクティックが
 さらに多く利用されることを賛同するような圧倒的な症例を
 提供している。

F9
 政府は我々の結論全体によって要求される改革を誘導して行なわせ、
 そして監視するべきである。そして適切な手順を踏んで、費用の
 節減が実現していることを確認するべきである。保健医療交付
 システムにおいては、カイロプラクティック・サービスのより
 広範な利用は、それ自身、あるいは職業間の調整、労働者災害補償
 委員会の活動の一環、民間部門一般の活動などによっては生まれて
 来ないであろう。

---------------------------------------------------------------
勧告】

 改革のための我々の勧告は次の通りである。

R1
 現在の政策は、腰痛治療のためにカイロプラクティックを利用
 することを阻害するようになっている。腰痛患者の大部分に
 カイロプラクティックのサービスを選択し、奨励するような
 政策への転換を行なうべきである。

R2
 患者の経済的負担を軽減し、他の医療従事者への照会を
 行ないながら、カイロプラクティック・サービスが、
 オンタリオ州の健康保険計画の下で、完全に保険で賄われる
 ようにするべきである。この一つのステップが、医学治療から
 カイロプラクティック治療への変革の流れを引き起こし、
 それによって保健医療支出の多大な節減をもたらすことが期待
 できる。また腰痛に関する経済的費用という一層包括的な
 観点から云うなら、それ以上の莫大な費用の節減が期待できる。

R3
 カイロプラクティック・サービスは完全に保健医療体系の中に
 統合されるべきである。腰痛の発生率と治療費用が共に高い故に、
 病院や管理されている健康医療グループ(地域の健康センター、
 包括的な医療組織、医療サービス組織など)、そして長期療養施設
 はフルタイムおよび/あるいはパートタイムでカイロプラクターを
 雇用するべきである。さらにこれらの組織は、カイロプラクターに
 患者を差し向けるよう奨励するべきである。

R4
 カイロプラクターはオンタリオ州の第3次病院(訳者注:意味不明)
 に雇用されるべきである。合衆国ではすでに病院がカイロ
 プラクターを雇用しており、良好な結果を得ている。同様の勧告が
 オーストラリアとスウェーデンにおいて、政府の調査によって
 最近なされている。また、次の政府が英国とその他の国々における
 研究に資金を提供している。無用の、あるいは失敗に帰した外科手術は
 単に高額であるというだけでなく、低レベルの治療であることを
 示している。対診のための機会、別の立場からの意見、および
 幅広く治療を選択することなどは、サスカトゥーンの大学病院に
 おいて成功裡に行われた臨床研究で採用された、この行動開始から
 我々が予測した重要な利点である。

R5
 他の理由で入院している患者や、治療に関連する診断を受けるため、
 また患者の要望に関連する診断を受けるために入院している患者を
 治療するために、臨床上の特典を全てのカイロプラクターにも
 適用するべきである。

R6
 患者の同意の下に、病院や開業医、その他の医療専門家から、
 関係する全ての患者カルテと検査結果をカイロプラクターが
 閲覧できるようにするべきである。閲覧は、カイロプラクターや
 その患者の要請の上で与えられるべきである。

R7
 労働者災害補償にとって腰痛は大変重要な関心事であるので、
 労働者の背部損傷に関する政策や処置・治療を査定するために、
 カイロプラクターが労働者災害補償委員会の上級職へ就任すべき
 である。このことは、他の医療専門職や委員会の技術・管理
 スタッフとの学際的な基盤の上に行なわれるべきであり、
 そのためにはカイロプラクター、開業医、理学療法士、委員会の
 スタッフとコンサルタントなどの間で、より一層建設的な関係を
 早期に築き上げるべきである。オンタリオ州においては、
 労働者災害補償システムでの腰痛治療に対して、カイロプラクターを
 監視役とする非常に優れた事例を作ることが可能である。

R8
 カイロプラクティックの腰痛治療のさらなる臨床評価のために、
 そして腰痛治療全般に関する、より一層の社会経済学的研究や
 政策研究のために、政府は必要な研究基金や資金を調達するべき
 である。これらの研究には、腰痛に関する患者の選択、心構え、
 治療法に関する知識などをより深く理解させるための調査も含む
 べきである。これらの調査の目的は、保健政策、プログラム計画、
 消費者教育目的にとって、より一層優れた情報となるだろう。

R9
 オンタリオ州でのカイロプラクティック教育は、適切な公的基金
 によって総合大学の多岐的学問の雰囲気の中に置くべきである。
 目下のところ、教育のための公的基金が備わっていない医療職の
 中で、カイロプラクティックがオンタリオ州では唯一統制の
 取れているものである。それ故、他の医療科学の学生たちから
 相対的に引き離されて教育を受けるカイロプラクターたちに
 取って、この状態は保健治療システムに関する最良の利害関係を
 阻害している。

R10
 最後に、政府はあらゆる適切な手段を積極的に講じて、
 医療関係者、特にカイロプラクティックと医学、理学療法の
 医療職間の協力を積極的に推し進めるべきである。協力関係が
 築かれていないことが、現在の腰痛治療が非効率的となっていた
 主な要因である。高額となりうる件の費用節減を政府が獲得
 しようとするなら、より一層の協力関係が重要である。また、
 それぞれの医療職の中で、より一層の協力関係を切望している
 人々が増え続けていることにも注目すべきである。


line2

構造上の腰痛:医学的治療とカイロプラクティック治療の比較

 Ebrall, P.S. "Mechanical Low-Back Pain: A Comparison of 
 Medical and Chiropractic Management Within the Victorian 
 Work Care Scheme," Chiropractic Journal of Australia, 
 June 1992, Volume 22, Number 2, PP47-53. 

 このオーストラリアにおける後ろ向きの労災補償研究では、
 1996例の労働関連の構造上の腰痛治療に関して、カイロプラク
 ティックと医学治療が比較された。平均休業日数はカイロプラク
 ティックの患者で6.26日、医学の患者では25.26日で、カイロ
 プラクティックの方が際立って低いことが判った。平均補償費用は、
 カイロプラクティック治療に対しては392ドル、医学治療では
 1569ドルで、カイロプラクティックの4倍であった。

 他の比較結果
 1.カイロプラクティック治療を選択した場合には、かなりの数の
  労災請求者において休業日数の減少が認められた。

 2.カイロプラクティック治療を受けた労災請求者の方が、
  休業日数が少なかった。

 3.慢性状態に移行する患者数は、医学治療を受けた場合のほうが
  多かった。

 4.医学治療の方が平均支払額が高額であった。

 5.カイロプラクティック治療による本来の財政的、社会的な節減は、
  次のことによって極大化し得る。

  1.労働保健システムへのカイロプラクターの参入を増やすこと。
  2.構造上の腰痛による労災治療者の開業医からカイロプラクター
   への早期照会を増やすこと。


line2

同一診断病名ー腰部傷害ーに対するカイロプラクティックと
医学治療の費用の比較

 Jarvis, K.B., Phillips, R.B., et al. "Cost per Case 
 Comparison of Back Injury Claims of Chiropractic 
 versus medical Management for Conditions with Identical 
 Diagnostic Codes," Journal of Occupational Medicine, 
 August 1991, Volume 33, Number 8, Pages 847-52. 

 カイロプラクティック治療では補償費用も就業日数の損失も少ない。

 この研究は、同一診断病名の背部に関連する傷害の医学治療と
 カイロプラクティック治療の費用を比較している。カイロ
 プラクティック治療を受けた患者の就業時間の損失に対する
 補償額は68.38ドルであるのに対して、標準的な非観血的
 医学治療を受けた患者の場合には668.39ドルであったと
 報告している。

 この研究は、フロリダ労災補償法によってカバーされた
 背部関連の外傷患者の10652例の非公開症例について
 カイロプラクティック治療と標準的な医学治療とを比較している。
 その結果、一時的な全就業不能期間に関しては、カイロ
 プラクティック患者の51.3%で、より短かった。
 カイロプラクティックの治療費用は、58.8%で低かった。
 そして医学治療を受けた患者のうち52.2%が入院した
 のに比べ、カイロプラクティック患者で入院したのは20.3%
 だけであった。

 就業日数の損失は、医学治療の方が、カイロプラクティック治療
 の場合の10倍であった。


line2

カイロプラクティック治療に対する健康保険による委任補填:
バージニア州に関する経済上の評価

 Schifrin,L.G. 
 Mandated Health Insurance Coverage for Chiropractic 
 Treatment: An Economic Assessment, with Implications 
 for the Commonwealth of Virginia."  The College of 
 William and Mary, Williamsburg, Virginia, and Medical 
 College of Virginia, Richmond, Virginia, January 1992. 

 経済学者はカイロプラクティックに対する委任保険が費用効率が
 よいと結論づけた。健康保険による委任補填と、カイロプラク
 ティック補填の経済上の効果に関する徹底的な研究によって
 次のことが明らかになった。

 カイロプラクティックの費用が低額で済むことは、治療費が
 安いことによるのではなく、高額な治療費にもかかわらず、
 明らかに派生する費用効果によるものである。

 カイロプラクティックは成長し続けている健康治療の一分野
 であり、国民に幅広く利用されている。カイロプラクティックの
 費用、有効性、あるいはその両方に関する正式な研究では、一般に
 他の治療形態との比較がなされる。費用と有効性に関する全ての
 試験によって、一般的な論拠の重点は、カイロプラクティックが
 重要な治療上、経済上の利益をもたらすことを示している。
 それに加えて、それらの利益を得るのに必要な健康保険の費用に
 及ぼす影響は明らかに最小の、または殆ど無視できるほどである。

 カイロプラクティックは広くアメリカ国民に利用されており、
 利用可能な健康管理を築くのに役立つ。また費用効率の高いことが
 分かった。


line2

カイロプラクティックと代替医学療法との費用の比較

 Dean, D.H., Schmidt, R.M. A Comparison of the Costs of 
 Chiropractors versus Alternative Medical Practitioners 
 University of Richmond, Richmond, Virginia, 13 January 
 1992.

 カイロプラクティックは、ある種の腰痛に対して最初の
 選択枝となるかも知れない。

 カイロプラクティック治療は、ある種の顕著な背部関連の疾患に
 対して、より低コストの選択枝となる。にも拘わらず、多くの
 患者にとってはカイロプラクティックは「最後の頼み」状態
 なのである。このことに対する一つの説明としては、カイロ
 プラクティック治療の保険補填率が低いということが挙げられる。
 カイロプラクティック治療に対しても、他の治療法と同程度に
 保険治療が規定されるなら、ある特定の医学上の状態の患者に
 とっては、カイロプラクティックが第一選択枝として出現する
 かも知れない。このことは、これらの状態に対する全体的な
 治療コストの削減に良い結果をもたらす可能性がある。


line2

カイロプラクティックの利用者は、総健康費用が充分に低い傾向がある】

 Chiropractic users tend to have substantially lower 
 total health care costs. Journal of American Health 
 Policy, Nov/Dec 1992, Vol.2, No.6

 2百万人の患者の治療費支払い請求書のデータベースの分析
 により次のことが判った。あらゆる健康学問によって、
 最も一般的な神経筋骨格状態の治療に対しては、カイロ
 プラクティックの利用者は、総健康費用が充分に低い傾向がある
無断使用・転載等は厳禁!
(http://www.asahi-net.or.jp/~xf6s-med/jresearch.html)
本サイトの内容を一部なりとも引用、転載する場合には、必ず上記のURLを明記するか、リンクを張って下さい。


カイロプラクティック・アーカイブ:表紙へ

著作権所有(C) 1996-:前田滋(カイロプラクター:大阪・梅田)