近頃ちまたに流行るもの(3)
コロナ騒動を嗤う


2022年1月17日


本邦では、2021年10月ころから新型コロナの感染が沈静化し始め、 毎日の新規感染者数は120~200人程度、 死者数は1~2人と、ほぼ終息状態がつづいていた。 すなわち集団免疫を獲得したのだろうが、メディアはまったく これに言及しなかった。

しかし11月末に南アフリカ共和国で変異株(オミクロン)が出現したと報道され、 国内でも昨12月下旬から感染者数が500人を越えだし、 1月15日の時点での新規感染者数が2万5千人あまりと報告されている。 感染者数は増加前の一日100~200人程度からざっと百倍に増えたものの、 重症者数は30人程度から230人あまりに増え、死者数は1~2人から5~6人に増えただけで、 感染者の増加に比べてごくわずかの増加で済んでいる。

ついでに、国民の大多数がマスクや手洗いを励行しているため、 今年もインフルエンザ流行の兆しはない。昨年の秋に、 どこぞの薬屋の回し者のような医者が 「この冬にはインフルエンザが大流行する可能性があるので、 ぜひワクチン接種を受けよ」と言っておったが、 その予想は見事にはずれている。

諸外国では、1月3日に米国で新規感染者数が百万人、 フランスでは昨年最終日に1日で23万人の新規感染者をだしている。 依然として日本の感染者数は欧米に比べて格段に少ないので、 これは本当に喜ばしいことであるのに、 このようなコメントを発するメディアは絶えて見つからない。

他国は知らず、この程度のことなら、日本のオミクロンは「ただの風邪」だろう。 何度でもいう、例年のインフルエンザ感染者は一日平均6万人から9万人、 死者は一日平均60人である。この数字と現今のコロナ、 オミクロンの感染状況を比べてみるがいい。 インフルエンザの場合に、毎日の感染者数や死者数を報告して 大騒ぎしているメディアがあったか?

昨年11月の時点では国内のコロナ対応の病床を3万8千確保すると 政府は発表しているので(過去最多の使用数は2万8千床)、 これが実現しているなら、全国的には「医療崩壊」の心配はない。

ところが、政府、地方自治体、テレビ局を初めとするメディアは、 相変わらず、感染者数だけを取り上げてお祭り状態である。 これまさに集団ヒステリーそのものである。

行政府は国民の支持率低下をおそれ、あらずもがな、的はずれの対策を 打ち出して国内の混乱を引き起こし、 役人は万一の場合を慮って「責任逃れ」の省令や通達を発したあげく、 朝令暮改を繰り返して混乱を余計にひどくし、 メディアは極端な例を取り上げて視聴率を上げることしか考えない。 (センセーショナリズム)

昨年春の「全国一斉休校」に始まり、「マスク配布」、「緊急事態宣言」、 「飲食店への時短要請」「オミクロンの濃厚接触者の2週間隔離」など、 的はずれの施策ばかりだ。 なかでも飲食店への時短要請や酒類提供停止要請に従わない店に 過料(罰金)を課すなど、どのような法律上の根拠をもって 行なっているのか、素人目にもムチャクチャなやり方である。 これなど、完全に憲法違反だろう。

肝心な病床確保は、医師会の非協力的態度によって一行に進まず、 3万床を越えることはなかった。政府は医師会に全くの弱腰だ。

これらすべては「自己保身」から来ているものだと私は見ている。 この根元には「票を投ずることによって指導者を選ぶ」という 民主主義制度の腐敗、または制度疲労がある。 「ポピュリズム」そのものである。 表向きは「人の命が大切」と声高にいいながら、その実、 「国民の生命・財産を守る」ことなんか二の次、三の次である。 どうにも度しがたい!

一国の指導者層が自己保身にかまけるようでは、その国は滅亡するしかない。 こりゃダメだ。こうなればタコ焼きでも目一杯喰って、喰いすぎでさっさと この世におさらばする方がマシかもしれない・・・・

昨年10月からの国内での沈静化は「集団免疫」が達成されたからだと 私は見ているので、南アフリカでオミクロンが確認されてから3~4週間で 減り始めていることから考えるに、日本でも2月初旬には 沈静化し始めるだろうと、私は予想している。

話かわって昭和の初期、長野県の地方新聞、信濃毎日の主筆だった 桐生悠々は、 昭和8年8月、首都圏一帯で実施された防空演習を取り上げ、 「関東防空大演習を嗤ふ」という批判記事を書いている。

これが軍部の忌避に触れ、悠々は信濃毎日を退社することを余儀なくされた。 現代のジャーナリズム界で、自分の馘首をかけてモノをいうジャーナリストは いないのか?

このひそみにならって言わせてもらう、

「令和のコロナ騒動を嗤ふ」 と。


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