椎骨の変位1996.06.24 ~ 1996.11.03一般に、椎骨の変位している方向を表現するには、その直下の椎骨を 基準とします。第2頸椎から第5腰椎までの椎骨では、 1.回旋変位(Rotation) 後方より観察したときの、 棘突起の左右へのシフト 2.傾き変位(Tilt) 後方より観察したときの、 左右の横突起の高さの違い 3.後方変位(Posterior) 側面より観察したときの、 直下部の椎骨に対する後方への変位 上記三種類の変位を起こすことがわかっています。 これら三つの変位方向を表現する上での記号と約束事が 決められていますが、ここでは、必要ないと思いますので、 その説明は省略します。 1.回旋変位(Rotation)2.傾き変位(Tilt)直下部の椎骨を基準とする3.後方変位(Posterior)直下部の椎骨を基準とする
「椎骨の後方変位」は、西洋医学、特にレントゲン診断学の 分野では、「脊椎後方辷り症」という名称で呼ばれている。 英名では、次のような用語が付けられている。 RETROSPONDYLOLISTHESIS RETROLISTHESIS REVERSE SPONDYLOLISTHESIS VERTEBRAL RETROPOSITION SPONDYLOLISTHESIS POSTERIOR RETRODISPLACEMENT POSTERIOR DISPLACEMENT このことは、次の成書に述べられている。 *ANATOMICO-ROENTGENOGRAPHIC STUDIES OF THE SPINE Lee A. Hadley, M.D. Cherles C Thomas Publisher Springfield, 1964 ISBN 0-398-02818-4 pp390-395 * THE RADIOLOGY OF VERTEBRAL TRAUMA GEHWEILER・OSBORNE・BECKER W.B.Saunders Company Philadelphia, 1980 ISBN 0-7216-4065-6 pp445-452 この現象が最初に報告されたのは1929年で、 Brailsford, Hibbs, Swiftらによって報告されている (前出の文献)。 従って、この現象(後方変位)を最初に 発見した栄誉は、彼らに帰されるべきである。 しかし、それを手によるアジャストで矯正できると 主張したのは Dr.GONSTEADである。 日本語のテキストにおける記述を探してみたところ、 かろうじて次のテキストに記述がある。 *「骨・関節のX線診断」江原茂 著 金原出版(株)p259 *「図説整形外科診断治療講座 腰痛」 メジカルビュー社 p161 後方辷りの測定法(MORGAN法) *「神中整形外科学」改訂21版 南山堂 P276 急性腰痛症の中の ”FACET SYNDROME”に関する 記述の中で、「腰椎は後方へ移動することがある」 と記されている。 *「整形外科学書」 綾仁富彌著 金芳堂| 変形性脊椎症を説明しているレ線像の中で、 「上位椎体の後方辷り」と一言だけ記述あり< 無断使用・転載等は厳禁! (https://www.asahi-net.or.jp/~xf6s-med/jlisting.html) 本サイトの内容を一部なりとも引用、転載する場合には、必ず上記のURLを明記するか、リンクを張って下さい。 |