活動日誌


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9月18日 中秋の名月鑑賞会

今夜は中秋の名月です。
夜空には雲一つもなく、東の空に満月がぽっかり浮かんでいました。
近所の河川敷公園を犬と散歩しながら、美しい月に何度も視線を奪われて足下への注意が散漫になりましたが、犬の散歩道にありがちな危険に遭遇することもなく無事帰宅しました。

その後、月明かりの下でギターを弾きながら作曲をしていたところ、午後9時頃になったようで、いつもの様に会員の皆さんが集まってきて、いつもの様に車座になって、中秋の名月を見ながらの座談会が始まりました。

そこに、貸し出していた、たつや副会長のギターが返ってきたので、私のギターとえみさんのギターとたつやさんのギターの三本を、弾き比べてみることになりました。
私のギターとえみさんのギターは二十数年前に作られたもので、たつやさんのギターは近年のものです。メーカーはそれぞれ異なりますが、ほぼ同じ定価の中級クラスのギターです。

それぞれのギター音色は、私のものは「低音に特徴がある深みのある響き」で、えみさんのものは「倍音が豊富な優しくきらめいた響き」、たつやさんのものは「若い張りのある響き」でした。
ギターも、弾き続けていると、年を重ねるにつれ味が出てくるようです。

満月にも迷惑な、ギター迷演奏会も悦に入った頃、かなこさんが、手作りのみたらし団子を差し入れてくれました。
お皿に盛られ、たっぷりと蜜のかかった団子の一個を口に運んでみたところ、焦げ目の付いた団子と甘い蜜との絶妙なハーモニーに舌もビックリ(どこかで聞いた様な口調ですね)。
続いて手をのばして団子一串をつまみ上げ、「うまい」を連発しながら、団子をじっくりと味わって食べました。
やはり市販の機械で作った団子と違い、手間の掛かった分だけ美味しさも増しているようでした。

四方山話に夢中になっていた頃、満月の光を浴びて感度が鋭くなった、えみさんのセンサーが突然の異常を感知したらしく、「ゴキブリ!!」と叫んで数メータ前方を指さし、同時に脱兎のごとく後ろの安全地帯に逃げました。
その様子に一同唖然。

私は、すぐさまゴキブリの隠れた場所を特定し殺虫剤を噴霧しましたが、ゴキブリの姿は見当たりません。取り逃がしたようです。
数分後、えみさんは帰還しました。
えみさんの話では「昔、彼(ゴキブリ)に睨まれたことがある」とのこと。その恐怖体験がゴキブリ大嫌いの原因らしい。何とも...。(^_^;)

ところが、えみさんの恐怖劇場はこれで終わらず、さらに数分後、「ゴキブリ」の鋭い声を上げ緊急避難。
あわててゴキブリ迎撃体制に入った私の横をすり抜け、ゴキブリへ突進する影が一つ。よく見ると、ちさこさんでした。
ちさこさんは、電光石火の早業で、履いていたスリッパを脱ぎそのスリッパを取り上げ振り下ろし、ゴキブリに神の一撃を与えました。ゴキブリは、慣性の法則に則った力で破壊され昇天しました。
再び、その光景に一同唖然。

その後は、時が立つのを忘れてゴキブリ談義で盛り上がり、いつの間にか満月は南中していました。
蒼さを増した月を眺めていると、以前に、えみさんが「満月は葡萄みたい」と言ったことを思い出し、その時は意味不明のままだったので、えみさんに「どこが葡萄なの?」と尋ねてみました。
「望遠鏡で見たチコのクレーターが、房から外した葡萄のヘタがついていた跡と似ているから」とのこと。
その説明に一同納得。

そうこうして、秋とは言い難い蒸し暑い夜は更けて、ドタバタ喜劇のような名月鑑賞会は幕を下ろしました。


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9月9日 接近中の火星はイクラ色

夏の雨台風が空のゴミを掃除して通り過ぎたので、今夜は夜空が暗く、いつもよりも沢山の星が輝いていた。
今年の夏は曇りの日が多く、こんなに綺麗な星空が見られるのは久しぶりのことだった。

これまた久しぶりに、棚の奥に仕舞っていた宮内の双眼鏡を持ち出し、カメラ用の大型三脚に載せ、マンションの明かりを避けるように、やや暗い場所に置き星空散歩を始めた。

いつもなら蠍座のシッポあたりの星団群を飽きることなく眺めて、頭の中を空っぽにして悠久の時に同調するのだが、いつしか季節が進み、すでにこの時刻には蠍座も射手座も西に移動して、高いマンションの壁に隠れてしまっていた。

となると、次に双眼鏡を向けるのは、必然的にアンドロメダの大星雲になる。
明るい夜空では、どことなく空の白いシミに見えるみすぼらしいアンドロメダ大星雲も、私の目の中で、真っ暗な故郷の空で肉眼で見たシルク色の大星雲に変わって、一時の郷愁を誘う。

気ままな星空散歩の締めくくりに、ヘラクレス座の球状星団M13に双眼鏡を向けた。
5cmのニコンの双眼鏡では見つけるのが大変な球状星団も、7.8cmの宮内の双眼鏡なら、星団のある辺りを上下左右に星空を掃除するように探せば、ボッと輝く蛍火のような星団が簡単に見つかる。
しかし、乱視と遠視の焦点の定まらない目で見ると、星団ではなくて星雲状に見える。

一人と一匹の気ままな天体観望をしばらく続けていると、いつの間にか21時頃になったようで、たつや副会長とえみさんが参加して、ようやく定例観望会の様相に変わった。

今日の観望対象は星雲星団だよと告げて、望遠鏡をセッティングし、えみさんにM13を探してもらう。
こと座のリング星雲を視野に導くことにかけては天才的な手腕の持ち主なのだが、M13は中々見つからない様子で、しぶとく頑張っていたが、やがてあきらめて目標を大得意なリング星雲に変更していた。
ファインダーをのぞいて望遠鏡の向きを変えると、程なく薄緑色のリング星雲を捕らえている。
えみさんは、何か特別なセンサーを持っているようだ。それも他の星雲星団は関知できない不完全なセンサーを。

私は、小さなシートを路上に広げて寝ころび、星座早見盤を片手に星座の勉強を始めた。
教師役はたつや副会長だ。
手始めに、ガーネットスターのあるケフェウス座の場所を教えてもらった。
いつもなら明るい背景に隠れてしまう暗い星でも、澄んだ空のおかげで楽に見えて(4等級の星まで見えていた)、すんなりとケフェウス座の全景を見つけることが出来た。
たつや副会長は、五角形に惹かれるそうで、ケフェウス座と、ぎょしゃ座は、格好の撮影対象になっているとのことだった。

星座早見盤と比較しながら、あちこちの星座を見てまわったが、普段は全く見えないアンドロメダの秋の四辺形の東側にある小さな三角座の星が、か弱く光っているのが印象的だった。

そうこうするうちに23時頃になり、東の空には一際明るく赤く輝く火星が、住宅の屋根の上に顔を出していた。
火星に望遠鏡を向けて視野に入れ、倍率を上げてみる。火星は地球に接近中で、来月末に最接近となる。

125倍で見た火星は、ひしゃげたイクラのように楕円でオレンジ色に輝いていた。(火星をイクラと表現したのはえみさんであることは想像に容易いと思うが、あえて尊敬の念を込めて書いてしまう私は、えみワールドの網に捕らわれてしまった蝶のようだ)
火星表面を目をこらして見ると、微かに黒い模様が浮かび上がってくるが、白い極冠は小さいようで全く解らなかった。

思えば、我が同好会の発足は、2003年の火星の大接近がきっかけだった。
たつや副会長とえみさんと私の三人で、毎日深夜まで火星に望遠鏡を向けたことを昨日の出来事のように覚えている。

赤い火星は、赤い血の色を連想させるので戦いを招く星とも言われているが、私達にとっては、美味しいイクラ色の星であり、始まりの星または区切りの星だと思う。
これから色々と新しい事(良いこと)が起きる、そんな予感がする。


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