活動日誌


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3月31日 星例会(副会長 たつや)

花粉症、特に杉花粉が猛威を振っていた昨日昼、会長とHPのネタがないと話をしたのがきっかけで、本日、木曜と言うなんとも半端な曜日ながら、一部会員は春休みと言う事もあり、星例会と行う事になった。

当日21時半頃、そろそろかと思って外へ出てみると、ちさこさんとひろこさんと会長がいた。
久しぶりに会長自慢のVIXEN社のGPD赤道儀を出したらしく、塀の向こうには会長自作の15cmのドブソニアン式の反射鏡があった。
蛇足かもしれないが、GPD赤道儀はVixenのGPシリーズの中でも最上位にランクされる物で、新型が発売されてもなお、その人気は衰えを見せない。
事実、バランサーも鏡筒に適合するように重たく、追尾性や剛性にも優れているため、やはり良い物だと感じざるを得ない。

となると、ターゲットはこの時期に一際輝く星、そう、木星である。
会長は事前にもうセッティングを済ませていた為、参加してすぐに望遠鏡を覗く事ができた。

今頃のこの時間の木星は高度が約30度ぐらいある為、大気の状態は落ち着ついているのだが、一般の反射望遠鏡は筒内流のおかげで、設置してすぐはすっきりとした姿を拝む事はできない。
しかし、ドブソニアン式はこの筒内流の発生自体が無い為、悩まされる事はない。
現に会長自身も出してすぐの様子だったが、大きな筋が2本、はっきりと捉える事が出来るぐらい、状態の良い木星を観測する事ができた。

今度はアイピースを5mmに変え、約250倍の倍率でチャレンジしてみた。
会長が過去に磨き上げ、プロにも認めてもらった精度を持つその鏡には、残念ながらメッキ処理が施されていない。それが故に惑星を見るとどうしても暗くなってしまう。
しかし、木星はその暗さを感じさせない程の光量を誇る為、微塵も暗いとは感じられない。
また、その巨大さ故に250倍もの倍率で見ると筋がもう1本確認できたのである。
ここで改めて鏡の性能の良さ、大気状態の良さ、そしてターゲットの偉大さを再認識することができた。

すると、珍しい現象に出会った。
観測開始時から木星の周りにはガリレオの4大衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)の内、3個が見えていたが1つは木星の陰に隠れてしまっていたようで確認する事ができなかった。
だが、高倍率などにチャレンジしているとき、木星の横にひっついたかのような、4つめの衛星が出てくる瞬間を確認する事ができたのである。
まるで先日のアンタレス食を彷彿させるかの様な出来事であったが、おそらく四六時中木星を眺めていれば決して珍しい事ではないだろう。
しかし、一天文好きの私達にとってみれば、珍しい現象に出会ったことに違いないのである。

実はこのとき、会長はwebカメラ(*1)を使用した写真撮影にも挑戦していたので、木星と衛星を画像へ収める事にもチャレンジした。(下図画像)

webカメラで撮影した木星



webカメラ自体は昨年より取り組んでいて、その都度惑星や月を狙っていたのだが、カメラとしてはフィルムは元より、時代遅れのデジカメにすら及ばない性能である為、公開する程でもなかったのである。

一通り木星を堪能した後、喫茶オリオンのママ、けいこさんとともこさんがやってきた。
と言う事はいつもの用にお茶が振る舞われる・・・かと思いきや、薄着で来てしまったようで一時帰宅してしまったのである。
春といえども朝晩は一桁台の気温になるほど冷え込むため、これを読んでいる同好会員は元より、他の皆様も体調管理には十分気をつけて貰いたい。

しばらくの後、けいこさんが戻ってきて、飲み物を振る舞ってくれた。
会長は例のごとく花粉症に悩まされている為、My甜茶を水筒に入れ、観測の合間にしきりに飲んでいた。
私はと言うと、幸いにも花粉症に見舞われてはいないので珈琲をご馳走になった。

暖まったところで、次は西の方に傾いている土星を狙った。
ここでも反射鏡の威力は絶大で、低倍率でもカッシーニの空隙が確認できる程、シャープな星像を見る事ができたのである。
ただ、木星とは違い光量が少ない為、暗くなった分、色も少し土色になっていた。

土星もwebカメラで狙い、撮影に成功した(下図画像)

webカメラで撮影した土星


途中会長のiBookが勝手にスリープしてしまうと言うハプニングもあったが、ようやくwebカメラでも公開できそうな写真が撮影できたのが今日の収穫であった。

その後、しばしの間談笑しながら観測を続けていた。
聞くとどうやらともこさんやひろこさんが恋をしているようで、しきりに顔を赤くしながら思いを寄せる人の話をしていた。
これが「お年頃」と言う時期なのかもしれない。

そうするうちに23時になり、今日の星例会はお開きとなった。
片づけを済ませ、F家の皆さんと別れ、いつもの3人で談笑していると、もう時計も日付が変わろうかと言う時であった。

そろそろ終わりにしようと道路にでると、頭上には春の大曲線が見えていた。
曲線の先は夢の中・・・TOPの詩が自ずと頭に浮かんだ。
私の場合、今の状況からして曲線先を考えると「一寸先は闇」的な状態かもしれない。

(*1) 使用したwebカメラはLogicoolのQcam for Notebooks Proですが、天体撮影用にレンズを取り外す等の細工を加えてあります


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3月18日 春の大曲線

春の嵐が過ぎた後、西高東低の冬型の気圧配置となり北風が強く吹く寒い一日だったが、いつもの山に登ったところ、山桜が薄紅葉を広げ、数えられる程度の花を咲かせていることに気がついた。(よって、我が同好会気象部桜班は桜の開花を発表した)

夜になり、一段と寒さが増してきたが、東に登ってきた木星の輝きが観望意欲をくすぐるので、望遠鏡を運び出し、風が吹き抜けていく道路で観望を開始した。
まだまだ木星は低空にあり、大気の乱れも大きく、視野の中の木星の縁はユラユラと細かく振るえていた。しかし、空が澄んでいたので四大衛星が明るく輝き、木星の縞模様もコントラストが高く、その美しさに寒さを忘れて見とれていた。

しばらくすると、けいこさん、ちさこさん、ともこさん、ひろこさんの美女軍団が、風に逆らい颯爽と歩いてきた。今日は寒かったので、特に観望会を開くとは知らせていなかったが、皆無類の天文好きのため、金曜日の夜は夜遊びの虫が騒ぐらしい。
こうなると、他の会員に声を掛けないわけにはいかない。たつや副会長、えみさん、しょうへい君に連絡を取った。
程なく豪華メンバーが集合し金曜例会が始まった。

ちょっと心配だったのは、副会長が風邪気味だったこと。
彼は今、自分の将来を切り開く一大イベント開催中の大事な身体なので、ガスストーブの火番をさせようと思ったが、「葛根湯を飲んできたので大丈夫」と言って、副会長の使命に燃えて頑張っていた。
実に頼もしい副会長である。同好会の大黒柱的存在と言っても過言ではない。(会長の私が貧弱なもので...)

望遠鏡で木星を見た後、ちさこさんが、携帯電話のカメラを接眼レンズに押し付けて、木星の撮影を始めた。が、うまく写せない。
次に、しょうへい君が果敢に挑戦した。やはり難しそうだった。
私も、先日買ったばかりの携帯で撮影してみたが、光軸を合わせるのが非常に難しく、木星が一瞬液晶に映し出されるが手が微妙に震えるので(けっして年のせいではない)木星が何処かに逃げて行き、シャッターを押すところまで行かない。
でも、えみさんは、ゴルゴ13なみの右腕で、器用に木星に狙いを定め、続けてシャッターを切っていた。何とも頼もしい技術員である。

そうこうするうちに、露天喫茶オリオンが開店した。
今日の中心メニューは、ほうじ茶と、とち餅だった。
ほうじ茶の香ばしさと、とち餅のまったりとした甘さは、私好みだったが、若者の口には合わない様子で、とち餅の売れ行きはいまいちだった。

しばしの談笑の後、たつや副会長に、春の大曲線の講義をしてもらった。
「北斗七星の柄のカーブを延長していくと、うしかい座のアークトゥルスを通って、おとめ座のスピカまで届きます」と、精一杯右腕を伸ばし、一つ一つの星を指し示して教えてくれた。

(ここから先は、同好会的プロジェクトX劇場の開演。テーマソング「地上の星」が低く流れる)

それから副会長は、遠くを見つめながら言った。
「大曲線は、さらに南へ続く」
どこへ続くのだろう。皆、不思議に思った。
スピカの先をたどっても、めぼしい星は見あたらなかった。
必死に探した。しかし星は見つからなかった。
あきらめかけたその時、誰かが呟いた。
「答えは、えみさんのかすみの詩の中にある」
詩の一節が思い浮かんだ。

 大きく天を
 撫でさするように仰ぎ見れば
 たどるその、曲線の先は夢の中

春の大曲線は、皆の、心の中まで続いていた。
未来への力、希望を届けていた。
宇宙の神秘を垣間見た気がした。
感動に振るえた。

(エンディングテーマ「トップライトテールライト」が、公演の終わりを告げる)

いつしか夜も更け、これで良いのだろうかと、一抹の不安を残しながら例会は終了した。


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3月11日(金)甜茶会 -若干名、花粉症の集い-  (たつやfeat.えみ)

この時期が億劫だと思う人は少なくないだろう。
そう、花粉症の時期である。

我が同好会でも会長とえみ氏がその餌食になっていて、花粉症を打破すべく甜茶でお茶会を開く事となった。
ちなみに、ちさこさんの卒業祝いも兼ねてである。

残念ながらこの日は雨模様で露天喫茶はできなかったが、F家宅にお邪魔しての開催となった。
時間になったのでF家宅へ行くと、新会員であるしょうへい君も居た。
彼はちさこさんの同級生で、同じく今春卒業を迎えた。
何度か観測会にも参加してくれていたのだが、本人たっての希望により、我が同好会のメンバーとして迎え入れる事になった。

それはさておき、行くとすぐ会長が甜茶を入れてくれた。
「甘い」と事前に聞いていたので試しに飲むと、確かに甘い。
しかもほのかに香る何かハーブの様な匂いが口の中いっぱいに拡がる。
これが甜茶なのかと、素直に驚いてしまった。

何でもこれは花粉症に絶大な効力を発揮するようで、これを飲んだ後は少なくともくしゃみをせずに済むらしい。
と言っても私は花粉症では無い為、ただの変わったお茶として堪能していた。
雑談に花を咲かせていると、会長得意のギターが始まった。
何度も校正を重ねているオリジナル楽曲の数々は、まさに会長らしいの一言につきる、心地の良い曲である。
しかも今日は星見は中止の為、分厚い楽譜も持参していたため、このギターの音は、終始、止む事がなかった。
そうこうしているうちに、F家の大黒柱であるよしひさ氏が会に加わった。
何でも翌日は出張らしいのだが、ギターの音を聞きつけてやってきたようである。
よしひさ氏は大のカラオケ好きで、遠く離れたO阪のカラオケ店に行く程の、いわば通だと言えよう。

彼が参加してからは、一気に場が昭和にタイムスリップしたかのような曲が流れた。
しかも、会長がメロディを奏で、それをバックに歌うのだが、好きなだけあってさすがに上手い。
強弱・緩急を上手く使い分け、味の出た声はまさに「哀愁」であった。
選曲の合間にもジョークを連発するあたりもまた「愛愁」なのかもしれない。

よしひさ氏は寝る時間も忘れ、ただひたすらに歌い続けた。
それに応える会長とのコンビは、完全に別世界に入り込んでいた。

気が付けば、日付が変わっていた。
それによしひさ氏も気づいたようで、就寝準備に入った頃、会もお開きとなった。
両名ともまだまだネタが尽きていない模様で、次回、もっと好みの楽譜を持ち出して歌う事にしたと後で耳にした。

最後は一体この甜茶会が何の目的で行われたのか判らなくなっていた。
だが、結論は「好きこそものの上手なれ」だと言えよう。

そして、両名の活躍はまだ序章なのである・・・


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2005年3月7日 ハインドの深紅星

午後8時、久しぶりに晴れ渡った夜空を眺めながらの愛犬との公園散歩を終えて、双眼鏡を首に掛け、いつものカノープス観測場所に足を運ぶ。
寒風が駆け抜けていく河原で、身と心をふるわせながら見た、初めて出会ったカノープスの気高き光のことを、昨日の出来事のように思い出す。

今日のカノープスは、少し赤く、春の風に照れるように、遠くの屋根のすぐ上に弱く輝いていた。
デジカメをセットし撮影しようとしたが、その準備の数分間のうちに屋根の陰に隠れてしまった。

先日もらってきたプラネタリウム番組紹介パンフレットに、うさぎ座にある「ハインドの深紅星」(*1)のことが書かれていたのを思い出し、その深紅星を双眼鏡で探してみた。

ハインドの深紅星の位置図


双眼鏡の視野にリゲルを入れ、少し下げて、うさぎの耳から目の星を見つける。
少し左に振って視野の左隅に胴体の星を入れて、その星と目の星を結ぶ線上を右に移動して深紅星を探す。
残念ながら、いくら目を凝らしてみてもハンイドの深紅星は見えなかった。

次に、今日は空が澄んでいたので、デジカメの感度を上げて撮影してみた。
135mm F5.6 ISO1600 13秒開放にセットし、ファインダーを覗き、双眼鏡で探した時と同じ手順で撮影方向を決める。
引っ切り無しに通る車のライトに気を使いながら、タイミングをはかってシャッターを切る。シャッターが開いている13秒が長く感じる。車よ通るなよ。

シャッターが閉じて、デジカメを三脚からおろし、液晶画面で深紅星が写っているか確認してみる。
画像をズームして、小さな星を見やすくして表示位置を変えて探す。画像の下側に赤い星が写っていた。
この赤さは、ハインドの深紅星に間違いない。春に見たガーネットスターよりも、さらに赤いような気がする。

ハインドの深紅星の写真


撮影を終わり、たつや副会長とえみさんに、我が同好会的光通信(窓に懐中電灯の光を当てるだけなんだけど、あうんの呼吸で伝わる)で連絡を取る。さっそく、えみさんが外に出てきた。
えみさんにパンフレットを見せて、深紅星の位置を教え双眼鏡で見てもらった。やはり目の良いえみさんでも見えないとのこと。
それで、宮内の77mm20倍の双眼鏡で見てみることにした。
多少位置調整に苦しんだが、視野の中に柿色の深紅星を捕らえた。さすが宮内の双眼鏡だ。

しばらくして、たつや副会長が出てきた。今日は、お得意のセリフ「寒い、寒い」が聞けなかった。
「ああ、春も近いな」と、心の中で密かに笑った。


(*1) 以下、和歌山市立こども科学博物館のプラネタリウム番組紹介パンフレットより抜粋
ハインドの深紅星は、イギリスの天文家、R.ハインドが1845年に発見した明るさを変える星で、うさぎ座Rという名前もあります。うお座19番星と同じように、低温で赤い炭素星です。望遠鏡で見ると本当に赤く見えます。


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