2004年9月29日 台風の残したもの
今年8個目の台風21号が通り過ぎた後、老犬バクといつもの散歩道を歩き回り、今回は何処にも被害が無くて良かったなと思いながら、自宅前に帰ってきてふと空を見上げると、道路上の電話線に不思議なものが引っかかっていた。
電話線にぶら下がっていたもの
よく見ると、我が家に引かれている光ファイバーケーブルを支えるスパイラル状のワイヤに、洗濯物を干すパラソルのようなハンガーが、見事にフックを引っ掛けてぶら下がっていた。
さっそくメールにて、たつや副会長に報告した。
ーーー メール ーーー
台風の被害がありましたよ。
天文同好会定常観測基地の上空、マンション前の電話線に、
洗濯物を干すハンガーが引っかかっています。
このままでは、笑いすぎて観測に支障をきたす恐れがあり、
早急な対策が必要と思われます。(笑い)
ーーー ここまで ーーー
翌日になり、NTTに連絡してと思っていたが、多忙にてすっかり忘れていた。
夕方、たつや副会長がハンガーを取り除いたよと、報告に来てくれた。
えみさんとたつや副会長が協力して取り除いたそうで、最初はボールをぶつけてみたがびくともせず、次に脚立に乗って長い棒でつついてフックを外したとのこと。
冗談半分で送ったメールの要請に、しっかり答えてくれたえみさんとたつや副会長に、感謝感謝。
持つべきものは仲間ですね。
2004年9月27日 中秋の名月前夜祭
天気予報では、明日の中秋の名月は天気が悪く見えそうもないとのことで、今日もどんより曇っていたが、中秋の名月前夜祭と銘打って月見を敢行した。
午後8時頃、相変わらず雲は厚く、主役の月は幕の後ろに隠れている。
まず、えみさんがやって来た。まだ雲は厚い。
次に、たつやさんがやって来た。それでも雲は厚い。
しかたなく、いつものように雑談を始める。
しばらくして、たつやさんが、「晴れ女えみさんの霊力で月を出してよ」と冗談まじりに言う。
私は、強力な雨男だから、私とえみさんの力比べかなと心の中で思う。
またしばらくして、驚いたことに雲が所々薄くなって来た。
月の居場所付近が明るく見えて来た。
あっ、月が見えた。
晴れ女えみさんの霊力は強力だった。
かなり晴れて来たので、宮内の双眼鏡を出して来て月を見る。
相変わらず宝石のような月で美しかった。
たつやさんが双眼鏡を覗くと、月が雲に隠れる。
えみさんが覗くと、月が顔を出してくる。
摩訶不思議。
某鉄工所の親方がやってきた。
双眼鏡の片方だけで月を見ている。
乱視なので両方で見ると焦点が一致しないため疲れるとのこと。
双眼鏡は両目で見ないと味がでないと思うが、それでも満足して帰って行った。
としこさんが、ほうじ茶とロールケケーキを持って来た。
月見には団子なのだが、突然の前夜祭だから用意していなかった。
しかし、とてもおいしかった。
さらにしばらくして、月は完全に雲に覆われて見えなくなったので、前夜祭を終わった。
2004年9月25日 たつやさんの「かわべ天文公園遠征記」
< かわべ天文公園遠征記 −満天の夜空を求めて− >
前期試験のまっただ中、私の所属する和歌山大学天文同好会会長Y氏の提案により、かわべ天文公園へ遠征が計画された。
そうするうちに日程は2004年9月24日夕方〜25日に昼にかけての1泊と決定し、Y氏初のかわべ天文公園遠征だとのことで、メンバーは晴れることを信じて止まなかったのである。
私自身は約1年ぶりのかわべ天文公園への遠征だったので、満天の夜空の元、星野写真に明け暮れようと考えていた。
ところが、当日になってその期待は重厚な雲にかき消され、キャンセルもできないまま、男5人でかわべ天文公園に向かったのである。
かわべ天文公園は和歌山県日高郡川辺町の山にある天文公園で、直径1mにも及ぶ巨大反射望遠鏡(日本で7番目に大きな望遠鏡)を持つ、和歌山でも名だたる天文公園である。
またここは立地もよく、和歌山市から車でスムーズに行けば1時間足らずで行ける場所で、宿泊施設も完備されていることからこういった遠征には最適の場所である。
・・・と、かわべ天文台について述べているうちに一行は到着し、Y氏期待の1m望遠鏡による観望会の開催について聞くまでもなく、「ざんねんプラネタリウム」が行われた。
ざんねんプラネタリウムでは、晴れていれば見える天文公園の夜空を投影し、また1m望遠鏡で撮影した星雲・星団などを紹介していた。その後に希望者には1m望遠鏡を見せてもらえるのとのことで、迷うことなく5人は観星塔へと向かったのである。
そのとき、空の一部の雲が取れ、月やペガススが顔を出していたので、私たち5人で貸し切りになっていた観星塔では急遽プチ観望会が催されたのである。
プチ観望会ではまず月を見せてもらい、M31、M52、アルビレオと順に見せてもらった。すると、空がまた曇ってしまったためにM57を見せてもらうことは叶わなかったが、それでも1m望遠鏡の迫力にはY氏もご満悦の様子であった。
それから宿舎に戻り、天候の回復を期待しつつ、就寝・・・・、してしまうと確実に朝までコースになってしまうので、寝ないように1時間に1回は外の様子をうかがっていたのである。
すると、午前3時頃、東の空が晴れてきたので外に出てみると、そこには半年ぶりに出会う冬の王者、オリオン座の姿があった。
私は、肉眼でも十分すぎる位に見えるM42に触発され、使う予定の無かったカメラを取り出して撮影を開始したのである。
そのときは30分足らずで曇ってしまったのだが、オリオン、双子、プレアデスなど7枚をカメラに収めることができた。
たった7枚では写真を期待しているmasakazu会長に顔向けができないので、4時15分頃に再度チャレンジすることになった。
すると、今度は、東と北の空が晴れていて、カシオペアやぎょしゃなど10枚を撮影し、夜明けとともに、撮影は終了し、同時にこの遠征も終わりを告げたのである。
カシオペヤ座
ぎょしゃ座
ふたご座
プレアデスとヒアデス
プレアデスとヒアデス−2
オリオン座
オリオン座−2
思えば、かわべ天文公園に向かう車中では晴れる希望すら持てなかった厚い雲も、私たち5人を労ってくれたのか、はたまた見かねたのか、思いもよらぬ晴れ間を運んできてくれた。
ほんの2時間ほどしか観測・撮影はできなかったが、まるでオリオンに一喝されたかのように、それまでの落胆も眠気も消え去ってしまったのである。
今回の遠征では決して満天の夜空を望むことはできなかった。
しかし、冬の様相を見せる星空を垣間見たことで、寒くなるばかりか、逆により一層空への想いは熱くなるばかりであった。
2004年9月14日 赤道儀の性能チェック2
先日に続き、私のGPD赤道儀の性能チェックを行なった。
GP-D赤道儀の写真
このGPD赤道儀は、6月にCATで購入した中古物で、主に自作の15cm反射望遠鏡の架台として使用している。
当初、高倍率で恒星を追尾させて赤道儀の性能を調べたが、恒星が視野の中で細かくジャンプしたり、どんどん動いて視野から外れて行ったりで、あまり良い追尾性能でなかったので、星野撮影に活用することはあきらめていた。
先日、たつやさん所有の笠井製赤道儀を使ってみて、以外(失礼)と追尾性能が良かったので、それよりも数段高性能なはずのGPD赤道儀が、本当にダメなのか疑問が湧いてきた。
で、北極星が見える程度に晴れた今日、再度、追尾性能を調べてみた。
しばらく極軸合わせを行なっていなかったため、その方法を忘れていたので、AD-VIXのホームページで学び、実際に行なってみた。
それで気がついたのだが、月日目盛環の取り付けが緩く、ちょっとした弾みにズレてしまう。そのせいで前回の極軸合わせが不完全だった可能性が大なこと。それで恒星が視野の中で踊っていたのだろう。
今回、月日目盛環が不用意に動かないように注意して、極軸合わせを実施した。
EOS Kiss Digitalを搭載し、ベガを狙って、30mm、50mm、100mm、135mmと焦点距離を変えて数分間露光した。
結果、ベガやその他の恒星が、どの焦点距離でも流れること無く点で写っていた。
やはり、GPDは高性能な赤道儀だった。
しばらくして、空の透明度が上がってきたので、アンドロメダ星雲の撮影に挑戦した。
たつやさんの力を借りて、より暗い場所を求めて住宅の谷間にある公園へ赤道儀を移動し、膝まで伸びた雑草を踏みつけて赤道儀を設置した。
私の視力では、ファインダーでアンドロメダ星雲を狙うのは全く無理なので、たつやさんに全てをまかせた。
数回試し取りを繰り返して、液晶画面で星雲を確認し撮影構図を決めた。
背景が明るいので、数分しか露光できなかったが、星雲らしい薄明るい光の広がりが写っていたので大満足だった。
2004年9月12日 赤道儀の性能チェック
たつやさんが、今月末に川辺天文台に遠征し星野写真を撮る予定とのことで、長らくしまったままになっていた笠井製赤道儀を引っ張り出してきて、動作チェックをすることになった。
まず、カメラを同架できるように、某鉄工所の力を借りて鏡筒バンドを加工し、自由雲台を鏡筒バンドに取り付けた。
カメラをセットした場合、鏡筒側が重くなりすぎてバランスが取れなくなるのではとの心配があったが、
思ったよりもバランスウエイトが重く、たつやさん所有のずっしりと重い old Nikonの一眼レフを載せても、架台ともに十分余裕があった。
次に、極軸を合わせた。
極軸望遠鏡をのぞき、北斗七星とカシオペアの位置を合わせてから、北極星を指定の位置に合わせる方式なのだが、北斗七星もカシオペアも雲に隠れて見えず、北極星が雲間から時々顔を出す状況だったので、大まかな極軸合わせで終わった。
望遠鏡を天頂付近のベガに向け、追尾用のモータのスイッチを入れ、微調整をしながら視野の中のベガを中心に持って来た。
高倍率に上げて、視野内のベガの動きをチェックする。
ピリオディックモーションのせいで、ペガが左右にかすかに動く。
極軸合わせも不完全なので、この程度の揺れはしかたがない。
EOS Kiss Diditalを載せて、天頂付近のこと座を撮影してみた。
空が明るいので数分の露出で白くかぶってしまうが、レンズの焦点距離を35mmに設定しISO800で撮影した。(35mmフィルムカメラ換算で、約50mmのレンズ使用と同等)
赤道儀での撮影の様子
パソコンに画像を取り込み、星像の流れ(ガイドミス)がないか調べたが、星像は点で写っていて問題は無かった。
こと座の写真