2004年10月16日 秋の星見会
昼間、ちょっと肌寒い風が強く吹いて、夏の名残の空の濁りも吹き飛ばしてスキッと晴れたので、会員にそれとなく、久しぶりに星を見ようかと声をかけてみた。
夜になり、機材を出して準備しておいたが誰も来ないので、一人で寂しくニコンの5cm双眼鏡でペルセウスの二重星団探した。いままで何度チャレンジしても、空の濁りと街灯りのせいで二重星団は見えなかったが、今日は空が澄んでいたので薄らと見えた。その位置を覚えておいて宮内の77mmの双眼鏡で確認した。こちらは倍率が20倍なので探すのに手間取ったが星団がはっきり見えた。さすがに宮内の双眼鏡は良く見える。
21時頃になり、皆が集まって来た。
それぞれ忙しい時期なので少人数の参加でもしかたないと思っていたが、全会員が参加してにぎやかな星見会が始まった。
しばらく談話後、暖かい飲み物とお菓子をいただいた。(いつも飲み物等を用意してくれる、同好会の母ちゃんのけいこさん、本当にご苦労様です)
食欲の固まりの名誉会長のバクが、おこぼれを貰おうと、必死の形相で皆の間を歩き回っていた。

たつやさんの天文の豊富な知識を生かして、皆に、見えている星座を説明してもらった。
昴は昔は視力の検査に使われた等、興味深く聞いていた。
北東の方向の屋根の上に、カペラのちょっと黄色い輝きが見えて来た。私も星座のことはあまり詳しくないので、たつやさんに、ぎょしゃ座の五角形を教えてもらった。
さらに、ぎょしゃ座にはM36、M37、M38があるとのことで、それを探してみることにした。
星図を開き、各星団の位置を確認しながら双眼鏡で探した。ニコンの双眼鏡では良く分からなかったが、宮内の双眼鏡ではM36、M37はすぐに見つかった。しかし、こちらでもM38は見えなかった。
星見会を終わろうかと思った頃に、東から冬の王者オリオン座が上って来た。
さっそく宮内の双眼鏡を向け、M41を皆で見た。
双眼鏡の視野の中で、冬の寒さの氷で出来たような白いM41の翼が瞬いていた。
見るだけでは勿体ないのでデジカメで撮影してみた。
東の空に上がったばかりだったが、M41が少し広がって写っていた。
日付が変わった頃に星見会を終了した。
2004年10月14日 部分日食(水面上の欠けた太陽)
今日は2年ぶりの部分日食だった。
昨日から体調不調で風邪薬を飲んで寝たので、起床したのが11時30分、すでに日食は佳境に入っていた。
予定では、望遠鏡で白い紙に太陽を投影して撮影するつもりだったが、その準備は全く出来ていなかった。高級な装置を持っていないので、太陽投影装置は全て手作りするつもりだったが...。
あわてて撮影方法を色々考えて、手っ取り早い方法を思いついた。
上手く行くか分からないが、水面に映る太陽を撮ってみることにした。
青いポリバケツに水を張り、日向に出して水面に反射する太陽を肉眼で見た。
そのままでは眩しかったので目を細めて見ると、少し欠けた太陽が水面にゆらゆら揺れていた。
水面で揺れる太陽は幻想的で美しく、風が止まって水面に静止した太陽は、時間の緩やかな流れを背景に、月と太陽の織りなす雄大で神秘的な現象を表現していた。
しかし、風が吹くと全てが乱れ飛んてしまう。
太陽が静止して見える一瞬が、とても貴重に思えた。
次に、EOS Kiss Digitalで水面の太陽を撮影してみた。
ファインダーを通してポリバケツの中の欠けた太陽が見えていた。
水面の太陽が静止したタイミングでシャッターを切る。液晶画面で確認する。ダメだった。
どんなにレンズを絞っても、シャッター速度を上げても、水面の太陽は明るすぎて、ハレーションで欠けた部分が被って丸い太陽になってしまう。
また策を考えた。
子供の頃に遊んだことのあるピンホールカメラを思い出した。それをまねてみることにした。
手頃な厚紙に小さな穴を空け、それをレンズの前に置いて水面の太陽を撮影した。
確認すると、欠けた太陽が映っていた。やっと上手く行った。
絞りとシャッター速度を決めカメラを構えると、いたずらに風が吹き、太陽が円形にならない。それに名誉会長のバクが、バケツの中に頭を入れて水を飲んだりして邪魔をする。
なかなかシャッターチャンスが来ない。待っている時間がとても長く感じる。
じっと構えて待って、太陽が円形に見える瞬間にシャッターを切った。
数枚撮ったことろで、マンションの陰に欠けた太陽は隠れた。
パソコンに画像を転送して、あらためて確認すると、太陽がほぼ円形に映っていたのは1枚しか無かった。
(背景を水色にしました。水面のきらめきを楽しんで下さい)

2004年10月6日 秋の夜空と牡牛座流星群(たつや)
午後23時半前に、投函し忘れた郵便を近所のポストへ出しに行こうと外へ出ると、雲一つ無いすっきりとした星空に出会った。
自宅前で少し空を見上げ、意気揚々と川沿いの道を歩いていった。
すると、上空にはっきりした五角形の星座を見つけた。
そう、ぎょしゃ座である。
いつにもまして、輝きを放つカペラに喜びを覚え、10分もない往復の道のりを終えたのである。
しかし、これだけで家に入るのは勿体ないと考え、近所にある小雑賀天文同好会第2定時観測所の公園に行ってみると、先日の遠征で出会うことのできたオリオンがいた。
しかも、星々の瞬きに混じってM42の姿もうっすらとだが確認できたのである。
そのとき、ふと南方向に目を向けると、眼前を光の筋が横切ったのが見えた。
一瞬何事かと思ったが、流星であった。
先日から噂になっているジャコビニ流星群かと思いもしたのだが、流れた方向が牡牛座方向からだったので、残念ながらジャコビニではなかった。
一応、後で会長に報告してみたところ、電波観測で23:40分頃にエコーがでていたことから、私の見た流星が気のせいではなかったことを裏付けている。
そのときは、即座に会長に連絡しようと携帯電話を片手に取ったのだが、もう時間も遅いし迷惑になるだけだろうと考えたために、その流星を一つ見たことに満足して、今日の観測を終えた。
近頃は、秋雨前線の影響ですっきり晴れる日が非常に少ない。
その中でもこのような空+流星にまで出会えた私はよほど幸運だったのだろう。
次回は双子座流星群の時に出会いたいものである。