「風まかせ」(歌詞)
無理に笑わなくていい 無理に作らなくていい
無理に合わせなくていい 少しずつでいいんだよ
それでも泣きたい日もある ため息ついてうわのそら
つらいことを乗り越えた 先に何があるのだろう
心の奥に沈んでいた あの日の星の光 思い出そう
肩の力抜いて 深呼吸をしてみれば
無理に背伸びしなくても大丈夫さ 風にまかせ行こう
もう駄目だと立ち止まる 前を向いて歩けない
そんな時は横向いて ほら仲間がいるんだよ
ふり帰れば今までの 歩いてきた道のりが
下を向けば今ここに この足で立っている
見上げてみればなんて広い まぶしい空がニコリ笑いかける
再び立ち止まっても 暖かい眼差しが
教えてくれたんだ大丈夫さ 風にまかせ行こう
空が青いのなぜかしら 雲がふわふわ流れてく
私の髪をなびかせる 気まぐれな春の風
明日のことはわからない だけど時間は過ぎていく
だから少しかたむけて 聞いてほしい風の声
楽に生きればいいのだけど むずかしいよねだから風よ吹いて
ときには迷いながら ラララララ 鼻歌を
歌えばいいじゃない大丈夫さ 風にまかせ行こう
(emi)
「この手の中に」(歌詞)
別れの時間(とき)告げるいつまでもぐずついた空
意地張って握りしめた手を固く突っ込んだ
ポケットの中で紙くずみたいに丸まっている
僕のくさった最後のプライド
振り向かずに行ってしまった君の背中に僕は何を思う
手の中の言霊は行き場所を無くし
もどかしい僕の体温で
甘いキャンディーのように粘り着いて消えた
君への不安と小さく芽生えた恋心
気持ちとは裏腹な態度でいつもキズつけた
なのに今日だけずっと笑っている
君はもうすぐ旅立って
旅立ってしまうんだ
それを解ろうとすればするほど
苦しくて つらくてつらくて
ホントは誰よりも知っているんだよ
君の笑顔が隠す想い
寂しい気持ちは同じだということを
止まらない時間を悔やむより今踏み出そう
たとえそこに君がいなくとも僕は立っている
不器用な言葉を臆病なメロディーに乗せ
どこまでも遠くへ飛んで 飛んで行け
さよならじゃなくありがとうと
僕はどれだけ伝えられたろうか
ふるえる足で君の後を追いかけた
風に舞い散る桜色が
どうか君の涙じゃないことを祈りながら
甘い香りのはなびら一つ
この手の中に握りしめて
(emi)
「花びら吹雪」(歌詞)
雲のように流れていくなんてない日々
気付けば一人取り残される
鮮やかだった彩りも
霞がかった景色に消えた
砂に埋もれた太陽じゃ
自分の場所さえわからなくて
手を伸ばしても何も見えない
どこからやって来たの桜の花びら
私を迷わす春の魔法
降り積もる白い雨は
足跡隠す砂丘になった
吹き荒れる嵐のような
風で私も飛ばされる春
泣きたいのなら泣けばいいのに
変わらない姿に自分を重ねる
心に吹雪く桜の思い
降り注ぐ優しさは
私に生まれるかすかな望み
素直になれればいいなんて
わかっているから難しい
あなたのように咲けるのならば
体を震わせ散らせたい
思いをすべてこの風に乗せ
あなたのように強くありたい
(emi)
憧れの歌を書き写した手作りの楽譜
眺めているだけで満足だったあの頃
何も知らず夢中になっていた事が照れくさく
青臭い思い出に少し笑って弾いてみたら
現在(いま)と昔が甘く語り出す
ケースの片隅にしまっていたこの曲と安ギターで
歌い続けた青春の1ページ
日に焼けたノートに挟まった拙い言葉
浮かぶままに書きとめた想いが懐かしい
詰め込んだ本当の気持ちは ホコリと共に
ぺしゃんこに押しつぶされてしまったけど
そっと開いて風に乗せたら
澄んだ高い秋空にあの頃の詩(うた)がよみがえる
青く綴られた青春の1ページ
深夜ラジオから流れる歌は昔と同じで
多分電波は時を超えて繋がっている
それならばあのころの自分に聴かせたい歌がある
今も変わらないこのギターでかき鳴らす
心伝えるラヴソング
重ねた時間(とき)と同じだけ愛すべき音は響いていく
まだ終わらない青春の1ページ
(えみ)
寝そべって初めて見上げた夜空
背中に感じる夏の名残りのアスファルト
包まれるような暖かさも夜風の心地良さも
あんなに瞬いていることもずっと知らずに過ごしてた
あの日の香りを今もまた思い出す
夢を乗せて流れた星いつまでも心に尾を引く
出来ないことは何もないただ少しだけの勇気がいる
小さな部屋で焦りばかりを感じていた
結果に囚われがむしゃらだったあの頃
青空に背を向け気付けばつま先ばかり見ていた
立ち向かう事も自分を変える事も出来なくて
からっぽの鞄胸に抱えて飛び出した
一人で眺めた街並みは同じくらい綺麗だった
星の雨が頬を流れ煌めきは滲んでしまった
見えない未来を追いかけるのは難しすぎて
何度も何度も諦めようとした
けれど輝き続けるいくつもの光が
暗闇を照らしてくれるなら
一歩そこに向かって歩き出せるかもしれない
支えてくれる自信なんてこれっぽっちもないけれど
変わらずにいる強さ変わっていく強さ
心に秘めたこの想いはこれから先の道標
(えみ)
コスモス畑をふわりふわり
ピンクの雲の上を
歩いていこう
秋風に乗ってひらりひらり
星がこぼれ落ちる夜を
夢見よう
いつのまにかさらさらと
変わっていく季節に
私はひとつクシャミをする
夏の後ろ姿に
秋は優しく手を振った
(えみ)
関わると言うことは生きていると言うこと
怒ったり泣いたり笑ったり
落ち込んだり考えさせられたり
励まされたり助けられたり
自分を他から切り取って
自分とも向き合えずにいたあの頃が全てだった
生きていると言うことは恐ろしいこと
壁の中の恐怖と壁の外の恐怖
雨の音はいつまでも鳴り止まずにいた
それが耳に入ってくる全てだった
恐ろしくともそこから足を踏み出した
しかしまだ鍵はなくしたままで
迷子の子供のようにおろおろと
叫びたい日もあった
でも
偶然の坂道を転がり落ちる小石を
止めることは出来なかった
どこまでもなだらかでない坂道を
転がる勇気を持てたのは
きっと音が聞こえたから
その音を作り出しているのは自分だと
気付いたのはほんの少し前のこと
世界を取り巻く渦は自分の中にも確かにあった
それに気付けるのは
まだちょっと先の話
(えみ)
雨の季節は お日様に
からりと笑って バトンを渡す
顔を上げたら 目の前で
君の笑顔と 僕は出会った
夏の思い出は通り雨
駆け抜ける星 弾ける花火
溶けてく氷 流れてる汗
暑い熱い僕らの時間
だからこの手は放せない 離さない
ガラスの瓶に 反射する
炭酸の泡と 君の視線が
僕の心を 騒がせる
追い詰められる 交差する午後
夏の思い出はひとときの
日焼けの痕と 捕まる金魚
ざわめきの中の この手の熱さ
決めセリフなんて無いけれど
今すぐに伝わればいい 僕の気持ち
吹き抜ける風が眩しくて
少しだけ足を止めた
真っ直ぐな気持ちで歩きたい
たとえそれが一人でも
君の思い出は一瞬の
木漏れ日の風 夕方の雨
幻のような 夏の抜け殻
それでも君と 過ごした夏は
僕にとってはキラキラの キラキラの
本当の宝物
(えみ)
別れと出会いが 交わる道で
風に乗る 僕らの言葉は
遠い未来と過ぎていく足跡へ
小さな花を 落としていった
巡り 移りゆく季節の中で
変わらない 僕らの気持ちは
高い宇宙(そら)に輝く星のように
いつまでも...いつまでも...
今を渡る鳥になろう
花吹雪を羽にまとって
薄桃色の恥じらいは
はにかむように舞い降りた
手を振るようにヒラヒラと
桜の雨が舞い落ちた
(えみ)
肌をくすぐる
風向きが変わった
三つ星も
いつしか春霞の向こうへ
少しずつ
薄いベールを脱ぎ捨てよう
強張った身体を
ゆっくりと伸ばそう
大きく天を
撫でさするように仰ぎ見れば
たどるその、曲線の先は夢の中
(えみ)
カウントダウンは物語の始まり
夜のカーテンを彩る星も
スポットライトの様な月も
ただ今日の最初の1ページを飾る
見上げよう空を
手を伸ばそうその先に
どんなストーリーを描けるだろうか
昇る一番の太陽の下
真新しい空気を吸い込んで
今
また歩き出す
(えみ)
絹糸のように滑らかで
綿飴のように柔らかな
白い湯気が何よりも暖かい
高い空の天井から降り注ぐ
キラキラとしたムーンライトと星座絵が
今夜もきれいに店内を飾る
誘われて立ち寄る北風も
いつしか談笑に変わっていく
さあ今夜も開店です
ようこそ喫茶オリオンへ
(えみ)
気まぐれな獅子が残した輝く爪痕
明けゆく夜空を惜しむように
いつまでも
尾を引いて
焼き付いて
気が付けば
夜と朝とのグラデーション
しばらくの別れを西に
再びの出会いを東に
心の中で手を振れば
澄んだ空気に
太陽が顔を出した
(えみ)
一歩踏み出すと
甘い香りに誘われた
見上げると
秋の香りに包まれた
常夜灯の下
異国の香りを夜風に乗せて
咲き零れる星屑は
満開の金木犀
切ないほどに胸を締め付け
哀しいほどにあたたかな
優しく甘い香りの雫は
セピアカラーの記憶をくすぐる
遠い遠い自分の背中
伸ばした手の中には
さらりと抜ける木犀の香り
今を咲く
秋の星の命の香り
(えみ)
真っ暗なはずの部屋
足下で揺れるカーテンの影
開け放たれたガラス窓から
秋の気配を含んだ風が
洗いさらしの髪を揺らす
幻想的な月の支配下
透明な群青の柔らかい光の繭
まるで
古ぼけた映画の一コマ
引き出しの奥の曲がった写真
本の間に挟んだままの
花びらの取れた押し花のしおり
こんなにも深い陰の世界に
足を踏み入れてしまった私の
ピンと張られた心の琴線を
解きほぐすのも
また
月
窓の外に笑いかければ
凛とした横顔が
今夜はまあるく微笑み返す
なるほど今宵は中秋の名月
スイッチを押す手を
今しばらくは・・
(えみ)
水面に咲いた山吹の花
春を彩るこの花を
咲かせたのは真上の月
秋風が吹いて
さらさらと
さざ波が散らす金色の光
小さな魚が身体を踊らす
跳ねる散る落ちる軽やかに
もう一度
跳ねる散る落ちる気まぐれに
やがて消えゆくその影と
穏やかになる水面に
咲きこぼれるのは山吹の花
空より落ちた月光の花
夏の終わりの贈り物
感じる秋の静かな足音
(えみ)
ブルーグレイの夜空のカンバスに
刹那、描かれる一筋の光
息をのむ
とくん、と一つ鼓動を感じ
見上げる高い澄んだ空に
燃えていく青い光が
音もなく溶け込んでいく、その刹那
ため息なのか
感嘆なのか
吐き出された一呼吸さえ
解けそうな程の柔らかい空気の中で
一瞬が果てしないことを
永遠が短いことを
考える間に、ほら、また流れた
(えみ)