この土器を作ったひとは、村人に、こんな話を語って聞かせた。
『ある日の夜、大ーきな大ーきな、まるでゴーッと音を立て落ちてくるような流れ星が現れた。
それはもー、今までに見たどんな流れ星より、大ーきくてな、まわりの星を蹴散らして、夜の空天井から飛び込んで来たんじゃ。
死んだ星をあの世へ送っては、また戻す神様も、ボットンの返りでお尻が突き上げられたらしいわい。
だっはっは』
すばらしいと思う土器に感じることは、いつも同じだ。
”形に対する作り手のためらいの無さ、一つ一つの線のスピード感と丁寧さ、そして全体のバランスの良さ”だ。(2002.10.27)
●大きな流れ星
と言えば、1908年6月30日シベリア奥地のツングースでの出来事だろう。
立花 隆「21世紀 知の挑戦」に詳しく書いてある。
それは、とてつもない大きな爆発を伴った。
東京都の全面積に匹敵する原生林の木が、なぎ倒されたのだ。
爆発音は500km離れたところでも聞いた人がいて、200kmくらいから見た人は、「太陽の2,3倍くらいの大きさの火の玉」を見たのだそうだ。
この出来事の一週間ほど前にヨーロッパでは夜空が明るくなったり、後には植物の生育が異常に良くなったりと不思議なことが起きたそうだ。
これくらいの衝突は数百年に一度くらいは起こるものらしい。
縄文の人も、巨大な流れ星に夜空を仰いだだろう。(2002.10.27)
▲土器は”単色”
絵を描くには、真に以って不都合千万
・線を引く
・立体化する
など、作者なりのルールが必要。
出来事や風景を、自分で”土器にする”と想像してみよう。
えらく大変なことだ。(2002.11.2)
★『火焔式土器』の文様は何?★
瞬かない星
瞬く星
普通の流れ星
田枝 幹宏氏 撮影
小川 忠博氏 撮影
[奥多摩 川乗山から]