老人保健施設とはどんな施設なのか

老人保健施設とは

▼寝たきり老人等、入院治療より看護や介護を必要としている者に対し、看護、医学的管理下の介護及びリハビリテーション等の医療ケアと日常生活サービスを入所および通所の方法で提供する施設(厚生白書)。
▼昭和61年から制度化。構想時期に「中間施設」と言われていたのは、医療施設と福祉施設の中間、あるいはこれらの施設と家庭の中間、という意味だったらしい。
▼医療法で、病院・診療所・訪問看護ステーションと並んで規定されている医療機関である。

施設や設備、人員の概要

▼人員の規制については医療機関では厳しい(比較表参照)。
▼従来の医療機関以上に施設や設備についての規制も厳しい(比較表参照)。

老人保健施設の現状

▼『老人保健施設報告の概要(平成9年8月分概数)』(厚生省大臣官房統計情報部平成9年11月26日発表)

1,819施設。入所定員は、159,296人、1施設当たり約87.6人。
月末入所定員は、福岡県が10,201人、北海道が7,850人、愛知県が7,183人と多い。
65歳以上人口10万対の月末入所定員は、徳島県が2043.6人、沖縄県が2033.3人、青森県が1758.7人と多い。


開設者          施設数
総数             1 819
医療法人         1 346
社会福祉法人       290
市町村              93
その他              58
全社連              13
厚生連              11
日 赤                3
都道府県             3
健康保険組合         1
国民健康保険組合     1


               入所定員 65歳以上人口10万対入所定員
全 国          159 296      837.7
北海道            7 850      888.0
青 森            4 344    1 758.7
岩 手            3 008    1 135.1
宮 城            2 608      740.9
秋 田            3 662    1 482.6
山 形            2 102      814.7
福 島            3 044      790.6
茨 城            4 349      999.8
栃 木            3 260    1 072.4
群 馬            3 250      996.9
埼 玉            4 113      572.8
千 葉            4 096      598.8
東 京            3 530      220.5
神奈川            2 251      235.0
新 潟            5 646    1 196.2
富 山            2 777    1 328.7
石 川            3 010    1 520.2
福 井            1 679    1 104.6
山 梨            1 754    1 124.4
長 野            3 074      713.2
岐 阜            3 482    1 039.4
静 岡            3 878      670.9
愛 知            7 183      838.2
三 重            3 217    1 012.0
滋 賀              999      528.6
京 都            1 438      357.7
大 阪            4 739      432.0
兵 庫            5 069      637.6
奈 良            1 072      517.9
和歌山            2 198    1 088.1
鳥 取            1 381    1 132.0
島 根            1 265      735.5
岡 山            4 406    1 251.7
広 島            4 187      887.1
山 口            3 025      988.6
徳 島            3 331    2 043.6
香 川            2 125    1 101.0
愛 媛            3 112    1 080.6
高 知            1 523      880.3
福 岡           10 201    1 347.6
佐 賀            2 163    1 335.2
長 崎            3 315    1 175.5
熊 本            4 503    1 275.6
大 分            3 035    1 280.6
宮 崎            2 305    1 087.3
鹿児島            3 565      979.4
沖 縄            3 172    2 033.3

老人保健施設はどのような人が利用できるのか

年齢などに関する条件

@医療保険の加入者
A当該市町村区域内に居住する
  (1) 70才以上の人
  (2) 65才以上70才未満で、政令で定める程度の障害の状態にあると当該市町村長が認定した人(*1)
B65才未満であっても初老期痴呆症(アルツハイマー病およびピック病)である人(*2)

(*1)身体障害者手帳1、2級および3級の一部(老人保健法施行令第2条に定める別表第1に具体的な障害が規定されている)
(*2)痴呆加算床および痴呆専門棟の施設療養費加算の施設基準に適合した施設にのみ入所できる

心身状態などに関する条件

▼疾病、負傷等により、寝たきり状態またはこれに準ずる状態の高齢者、かつ▼病状安定期にあり、看護、医学的管理下での介護、機能訓練その他必要な医療を要する高齢者

具体的な入所(通所)者の範囲

@病弱(*1)な寝たきり(*2)老人
A病弱(*1)で寝たきりに準ずる状態(*3)にある老人
B痴呆性老人(*4)
C初老期痴呆により痴呆の状態にある者(*4)

(*1)「病弱」とは、高血圧疾患、脳血管疾患後遺症などで病状が安定し、入院治療の必要はないが、医師の医学的管理が必要な状態
(*2)「寝たきり」とは、ベッド上での起座や座位保持が自力でできない状態
(*3)「寝たきりに準ずる状態」とは、屋内での歩行が困難な者、または屋内での歩行は可能だが、食事・排泄・衣服着脱・入浴のうち二つ以上に介助を要する状態
(*4)「痴呆性老人および初老期痴呆により痴呆の状態にある者」とは、痴呆のため日常生活の自立が困難で、それが継続すると認められ、ぼけの程度が中等度(*5)以上の者
(*5)「ぼけの程度が中等度」とは、@簡単な日常会話がどうやら可能A慣れない環境での一時的な失見当Bしばしば介助が必要で金銭や服薬に管理が必要


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