| α・シリウスのひとりごと
 
 「彗星」
 
 
 
| 真空の静寂の中で俺は漂っていた 闇は俺の友だった
 かすかな重力が俺をこの心地よい闇の中に留めていた
 誰にも気付かれ無いまま静かに時を重ねていた
 
 なのに出会ってしまった
 あのまばゆい輝きに
 
 あの強い重力に
 捕らえられてしまった
 
 あの強い光に近づけば近付くほど
 俺自身も輝いていく
 
 俺はひっそりとあの場所に居たかった
 だけどあの光り輝く魂は俺を惹き付けて離さない
 
 逃れようと何度も思った
 それでも一度捕らえられてしまったこの心は変えられない
 
 それならばつき合うしかない
 この命が続く限り
 
 
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