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(この話はあえて全文会話にしています) 「ちーちゃんの事情」 「ちーちゃん? ちーちゃん!」 「……………………」 「あ、直に話すのはお久しぶりです。かせ兄さん。すみまんせん。ちー姉さんは今盛大なやらかし……もとい、進化リセットをせざるを得なかった結果から立ち直っていないようで」 「え、リセット!?」 「まじでまたやったの!?」 「あ、きんちゃんちーす。めずらしくすーさんもいるんだ」 「あー。きんねえさんとすー兄さんもお見えですか」 「そりゃここ数年元気に周囲を飛び回ってた子達がいきなり沈黙したらねぇ」 「うちもそう。最近頑張って遠くからでもチラチラと姿を見せてたのに」 「こっちも観たり機械を送りつけたりするだけじゃなくて、自分達も来る様子を見せていたんだけど、全部だんまりになっちまった」 「おーい」 「あ、もっさん、どっさん。こんにちはー」 「最近電波が届かなくてテレビが見れなくなって暇過ぎなんだけど何か知ってる? ちょっと前にうちに向かって来てた子達も何か沈黙してね?」 「もっさんはまだ良いよ。うちなんか氷が邪魔して電波が時々途切れるし、ちょっと前に何回か近くに来て、居座ってこっち観てた子も居たけどそれきりだ」 「もっさんやどっさんはまだ良いっすよ。こっちは凄く小さい子が周り回って、通り過ぎたきりだよ」 「うちなんかかるく通ってそれきりだぞ」 「あー。やっぱりみんなそーなんじゃん」 「そーだ。そーだ」 「あ、てんちゃん、かいちゃん、お久つーか、俺ら基準でも結構距離有るのにこっちこれたんだ」 「そりゃ、今割りと近くだしねえ。第1、とーさんの方を向かなくても明るくて一番賑やかなちーちゃんが急に静かになったら心配になるって」 「かいさん達が言ってた小さい子達はうちも通りすぎたねぇ。次の子達は来ないのかな?」 「あんまり聞かなくなったよね?」 「なんでだっけ?」 「あのー、もーしもし?」 「あ?」 「めいちゃんじゃん。よくここに顔を出したな」 「そんな言い方しなくたって良いじゃないですか。そりゃ私は皆さんとは軸すら違いますけど、一応、いちおーは身内でしょ」 「そこは否定しない」 「先程から話題に出ている小さい子らとちーさんとの通信が完全に途絶えちゃった気がするんですけどもしかして…………」 「うっさいわね。ちょっと寝返りを全身で数回打って、自重無しのくしゃみも10回くらいして、大量の鼻水を流しただけよ」 「寝ぼけてよだれ垂らして屁こいたの間違いじゃね?」 「しーっ!」 「あ、またふて寝したよこの子」 「ねえねえ。もしかして全滅?」 「あそこまで来て?」 「マジで?」 「ちょっと待ってよ。今度はやり直しに何億年?」 「億年単位リセットは洒落になんねーぞ。親父や俺らにだって寿命が有るんだから」 「ちー姉さんは以前、キモいって理由で海から出てくる前に大型種を絶滅させて、やっとこさ地上に出てきても大きすぎだから邪魔と言って当時の最強種を絶滅させましたからねえ」 「あーアレかぁ。進化しなさそうだけど見た目は面白かったんだけどなぁ」 「……今度はせいぜい数百年か長くても千年くらいよ」 「あ、ちーちゃん起きた」 「みんなで集まって言いたい放題してるから」 「そら仕方ないっしょ。俺らの中で唯一他の兄弟の所まで来れたの文明まで持てたのちーちゃん所の今の世代なんだから」 「ねえ、もっさん、どっさん、てんさん、かいさん、めいちゃんも。めいちゃんの所まで行けたあの小さい子達がうちを出てもう何年?」 「えーと?」 「短い単位はちょっと苦手なんだけど、テレビの流れからすると50年位かなぁ」 「それから1度もてんさん達の所にだれも行ってないって知ってるよね?」 「あ、うん」 「全然先に進んでくれないの。同族で喧嘩ばかりしちゃってさ。だから」 「またリセットしたと?」 「リセットじゃない。ちょっと頭の固いのとか迷惑掛けてるのとか、危機感無いのとかに自分達がどういう所で喧嘩してるのか思い出させてあげただけ」 「せめてうちへの移住者ができるまで、ちー姉さんには待っていただきたかったのですが」 「つーさん所に小さい子が遊びに言ってから何年?」 「えーと……まだ1世紀にはなっていないですねえ。けど、それ以降来るのはすぐに壊れるおもちゃばかりの状態ですけど未来に向けて計画は有ったのですし」 「けど、自分達の足元だけじゃなく、つーさんちでもかっちゃんちでも洒落にならない喧嘩をしようとしてた」 「ああ」 「深海や近所で練習して足固めするのは良いよ。何事も小さな一歩からコツコツとって言うし。けどね、お金や時間や資源、ましてや命の使い方がずっとずっと間違い続けてるよね!」 「否定できないね」 「もう1回、ちゃんと未来を見て欲しいと思ったの。ごめんね。みんなの楽しみも奪っちゃって。本当にごめん」 「そこまでちーちゃんが考えてたんなら俺らも待つよ」 「やってしまった時間は戻せないしね」 「頑張ってる子らがまた様子を見に来てくれるまで待つわ」 「私達にとって千年くらいならすぐだもんね」 おわり |
■小説 '25.03.18 UP
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