2004日光XCスキーハイキング

1日目 2日目

(日程)
2004年2月7日(土) 〜8日(日)

(テーマ)
恒例の日光XC。大雪原の風景&豪快な雪上ランチ&温泉を堪能。加えて前泊組は男の大宴会も堪能!

(参加者)
前泊組:熊野、羽佐田、松田、江畑(克)、益原
日帰り組:平井隊長、大嶋、畠田 康司くん

素晴らしい快晴!東北道から青空に雪山がきれいに見えてすがすがしい。

ぼくはNHKラジオが好きだ(日本の良さ、田舎くささがあり、選曲がうるさくなく、生活の知恵になる情報、また渋滞情報や天気情報が頻繁にあって旅情緒がある…FMはどーも渋谷を歩いているようなイメージになり、どのFMも特徴がないのでつまらん)、そこでニュースで、敦賀湾でアオサが大量に発生している問題で住民が対応に追われていることをアナウンサーが述べていたが、最後に「早く元の海の青さを取り戻そうと住民の皆さんは処理に追われております…」 と。康司と笑ってしまった。トーク番組ではなく一人で淡々と読む純粋なニュースだったので、別に駄洒落のつもりで言ったわけではないだろうけど・・。 この話しをしたら平井隊長も聞いていたらしい。

9:40 アストリア到着。雪系遊び所は東北道か中央道沿線がいい、渋滞はないし空気が乾燥しているので雪質もいい。クルマのない人は上越が便利だが、渋滞するし天候が悪い。日本海が近い為水分多く雪質が悪い。

1年ぶりのQさんや隊長も元気で何よりだ。共同装備を分配し出発準備完了。

10:00 光徳牧場出発。 天気は抜群だが温度が低く雪がよく鳴く。昨日は湯滝までツアーしたらしくマッチョも大丈夫そうなので今日は予定とおりちょっと遠い初めての小田代が原まで行く。

近場は雪上にレールを切っており(クラシカル走法がしやすいようにレール状に雪面を機械で削っている)滑走しやすい。まあ、クロカンはツボ足では歩けないどんな場所でも行くことができるのが魅力なのでツアラーにとってはレールは不要といへば不要だが歩き易い。

いつもの逆川が湯瀧へと分岐する地点で休憩。
戦場が原から仰ぐ男体山、女峰山、日光白根などのたおやかな雪の山稜が青空に映えて実に美しい。当然ここでは写真撮影。再び、森の中に入っていく。

11:00 泉門池(いづみやどいけ)に到着。
いつもはここで大昼食会を開くのだが、ちょっと休んで今回はさらに進む。ここは雰囲気がよくテーブルもあり昼食ポイントとして人気があり何組かのパーティーがいた。

ここから森林地帯を緩やかに登っていく。静寂の世界…これぞ、アルペンスキーでは味わえないノルディックの楽しみと趣。ノルディック(クロカン)は、板をハの字にせずとも、普通に歩くように登れる。

アルペンは下る為のスキーであるのに対しノルディックは歩く登るためのスキーともいへる。まさに、イネが言っていたようにテレマークや山スキーを含みノルディック系は歩く登る滑るができるスキーの完成形!!

とはいうものの、初めてのマッチョは登り下りで難儀。登りではスキー裏のうろこ状のぎざぎざ(ステップソールという)を効かせてスキーを並行にしたまま登っていくのだが、うまいこといかずに一進一退の攻防をしており、最後はせっかく上がったと思いきやずるずると滑って木の切り株にお尻をぶつけてしまった。
雪上で悪戦苦闘を見ているのは実に愉快である!

12:00 森を抜け小田代が原に到着。最深部を目指し真っ白の雪原にレールを刻みながら自由に滑走していく。

ベンチを探すも雪の下に潜っているのかなかなか見つからない。うろうろと偵察していると、小うるさいおやじから、そこは入ってはいけませんよ、下に植物が生えており秋にはきれいな草紅葉が鑑賞できるところです、っと。

そうはいっても小田代が原はすべて雪に覆われ自然と入ってしまうので仕方ない。雪に完全に埋もれた雪原なので実際はさほど影響ない。根がある限り生えてくるし、直に踏みつけているわけではないのだが、まあ無雪期は立ち入り禁止なので、そう抵抗するものでもなく変にマナーが悪いと思われるのもノルディック愛好者のイメージを損なうかもしれないので、はい、とそこから外にでた。

おじさんに聞いたら、ベンチはその先にあるらしいが、雪に埋もれているとのことなので、先には進まず戻って森のなかの風が当らないような場所を見つけた。

12:30 例のピンクのおもちゃショベルが大活躍でテーブルを作ってそこで店を広げることにした。
(山の豆知識:雪上のテーブル作りは、雪を盛るのではなく、四角く周囲を掘ればテーブルとイスが同時にできる)
NSA3種の神器:パン焼き網、ピンクのショベル、まっちゃんのクルマ…・

今日はメリがいないので旨いもの市が開けないだろうと、ぼく自慢のつまみ、サルディーニャ ピカンテ デル ジミー(ジミーのピリ辛いわし)を作ってやろうと用意してきた。

香ばしいにんにくとオリーブオイルの焼けた香りが漂いスパイシーで男の野趣溢れるラテン的つまみだ! 旨い今度自分もやってみよう、と好評だった。

全員天然のテーブルを囲み着席。焼き網でフランスパンを炙りその上にガーリックバターを擦り込む、生ハムが並びワインを飲み、NSA野郎の粋な宴が始まる。天気は抜群だが温度が低い、風も時折あるので切った天ぷらガードが活躍。これでガスを随分セーブでき、ボンベの出力低下を防げる。
(冬季山行の必需品:最近山の店でもコンパクトな風防が出ているが天ぷらガードを切ったものが超軽量だし十分)

Qさんが、地元の酒を持ってきておりこれが美味かった。淡麗すっきりな酒が多い昨今、これは男っぽくてコクがあるものだった。

オードブルからシチューに移るころ、まっちゃんが湯をこぼして平井隊長の腿にかけてしまった。幸い隊長はいつもクラシックなウールのニッカーを着用しているので事なきを得た。

昨年はバットレスの小屋を燃やしてしまい、どーもまっちゃんは燃焼系の粗相が多い、熱い男なのだ!

隊長が戻る時間を気にするも宴はやまず、食料という食料すべて放出し、腹いっぱい食べる。

14:15撤収。
帰路は戦場が原を突っ切るか、往路を戻るか検討開始。時間的に若干厳しいので往路を戻ることにした。陽が傾き小田代が原がまた美しく写真撮影。

広大な雪原というのは北海道でもいかない限りそうそう味わえるものではないが、ここ日光で堪能できる。でれでれしているうちに隊は2班に別れ、後続はぼくとエバちゃんとクマとマッチョに絞られた(というより取り残された)。

ぼくは今年は酔っ払ってないが、イザというときにはエバちゃんがいないと困る。昨年は川にスキーを落とし(2度も!)、それを取ってくれた、そして戦場が原ではへたれこんでしまい立ち上がれず、荷をもってくれた。みんなぼくを見捨てて(康司までも)行ったのに、エバちゃんとヤヤが付き添ってくれたのだ。ぼくはこのとき、「老後はこの二人にお世話になるのが一番幸せだな」と思った・・・。

4人で楽しく歩むもルートをショートカットしようと(これができるのがクロカンのいいところ)進路を変えて進んだら、最後の最後目的地直前で鹿除けのフェンスに行く手を阻まれた・・・うーん。
かなり来ているので戻るのも馬鹿らしい。電流が流れていないかちょっと触ってみて、乗り越えることにした。

スキーとリュックを向こうに放り投げ、フェンスに接近している木によじ登りフェンスを越えた。まるで脱走しているようで楽しかった。

4人とも無事脱走に成功してスキーを履こうとすると今度はマッチョのビンディングがなかなか靴に噛まない。アルペンと違ってつま先だけで固定するのだが、ここに雪が詰まったりビンディングに雪が入ると固まってしまいビンディングが締まらなくなる(壊れたわけではないので注意しよう)。

皆は後続が来ないので心配して(いや、休憩して)逆川合流地点で待っていたらしいが、そういうことでぼくらは目と鼻の先まで来ていたのだが、奮闘していたのだ。

16:20光徳牧場に帰還。
隊長は風呂に入らず帰路につき、残りはアストリアで露天風呂に浸かる。ぼくは運転者用泡(ノンアルコール)を持参し雪に冷やしておいた(そうまでして泡を飲みたいのかと自分でも思う)。

クマとマッチョに、遠慮せんで泡飲んでいいぞ、と言ってやったら、待ってましたとばかり飲むのであった。途中運転代わることもできるからと控えていたらしく気持ちが嬉しい。

Qさんとまた再会を誓い帰路につく。途中夕闇のなか道路脇に鹿がたたずんでいた。飛び出すなよ、跳ねられるとエバちゃんから食われるぞ! 
好天に恵まれ楽しいツアーであった。 


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