鳥巣へ行こう
2008年5月4日
この旅で初めて寝坊する事ができた。天気もいい。59路に乗って、天安門を通りながら北京駅へ。手荷物を預けると30元也。物価上昇をここでも感じる。北京駅は改装中で緑の幕に覆われ全く情緒が無い。李先生の美国加州牛肉面大王がある。これは全国チェーンで、赤地におじさん(多分李さん)の顔が描いてあり、某美国鳥唐揚連鎖店インスパイアな看板が目印だ。看板メニューの大肉面と炸醤面を頼む。一応ファーストフードらしく「お飲み物は?」と聞かれる。メニューにはコーラやファンタが並んでいるが、みんな大肉面とコーラとかで食べているのだろうか。とりあえず、カリフォルニアにこういうものがあるのかという謎は未だ解明されていないが結構おいしい。
手持ちが少し心細くなってきた。中国では押金(デポジット)などで、思わぬお金が掛かる事がある。しかし中国銀行は見当たらない。北京銀行ならある。昔は中国銀行しか両替ができなかったが、最近では他の銀行でもできたりするので行ってみる。外貨を両替したいのだが、と告げると、機械のボタンを押して順番待ちカードを渡される。208番。なるほど、日本の銀行と同じシステムが導入されているらしい。今179番を呼んでいるから、30人ほど待たなければならない。ベンチでゆったり待つしかない。実際は途中で帰った人もいるようで、思ったより早く呼ばれた。たった1万を換えただけだが、美人が笑顔の対応である。しかも手数料無しだ。窓口には対応に満足したか評価するボタンも置かれている。北京銀行、お奨めかもしれない。
できたばかりの地下鉄に乗って、紅橋市場へ。しかし、ここはちょっと想像と違っていた。立派な4階建ての建物で、客も西洋人観光客ばかり。お店のお姉さんは美人が多いが、値段も高い。そしてあまり活気が無い。USBメモリで笑えるのがあれば買いたかったが、どの店も同じような商品しか置いてない。ツアーで来るような店に来てしまったなと思う。トモダチ!グチ、エルメスヤスイネ!!と声を掛けてくる小姐に「アンタ、ニホンゴなかなかイイヨ」と冷やかしながら店を出る。看板には「Honjiao Pearl Market」と書いてある。なるほど、ウリは真珠などの宝石だったか。違和感があるわけだ。(後で聞いた話によると、地下に楽しい世界が広がっているとの事である。うーむ残念。)
天壇公園は広すぎて時間がなくなりそうなのでパス。地下鉄で大屯路まで一気に走る。飲み物を買いたいと思ったが、コンビニも小売部も無く買えない。上海ではまず困る事は無いのに。続いて乗ろうと思っていたバスが無い。上海の地図はバス停の位置がすぐ分かるようになっているが、北京の地図はあまり詳しくなく、系統番号からバス停名のリストを確認し推測するしかないのだ。少し歩いたバス停で近くに行くはずの417路に乗り込む。しかしこのバスが終点の手前の炎黄芸術館というところで運転を打ち切ってしまった。運ちゃんに鳥巣に行きたいのだがと言うと、ここから歩けと言われる。北京の街は近いように見えて結構距離があるのだ。なにやらキャンペーンのハッピを来たおじいさんにバスは無いかと尋ねると、やはり歩いたらすぐだと言われる。歩いていくしかなさそうだ。歩いてみると、オリンピックの為に新しい道を作っていて車は通行止めになっていた。それでバスが途中で打ち切りになっていたのだ。しばらく歩くと逆光に照らされて鳥巣が見えてきた。しかし工事の塀に囲まれて見難い。でもそこは中国、歩道建設用のタイルを勝手に積んで、私的記念撮影ポイントを構築してある。こちらも利用させていただく。観光客は集まっているが、付き物の物売りが見当たらない。こちらはオリンピックグッズを目当てにしているのに。この中国でそれがないというのはあまりに不自然である。相当に取締りが厳しいのかもしれない。この場所は逆光になってしまうので、順光で撮れる場所へと移動。すると、自転車で鳥巣のガラス細工を売るおっちゃんが現れた。そう来なくっちゃ。ガラスの中に鳥巣が立体的に彫られ、しかも下からライトアップされる仕掛けになっている。「いくら?」「10元」予想以上に安いのでちょっとびびる。「5元にまけてよ」予想以上のセコさにおっちゃん苦笑い。「もう一番安くしてあるんだよ」「じゃ6元」結局9元で妥結。おっちゃんは、現物をちゃんと確認しろと箱を開ける。結構親切だ。でもその間おっちゃんは常に移動を続け、足を止めることは無い。おっちゃんの行為はモグリなのだろうか。立ち止まらないということに、何か法的な抜け道があるのか、あるいは止まって人が集まり、人目に付く事を避けているのか。だとすると、危険を冒してお土産を売るおっちゃん、値切って悪かったかなという気もする。向こうも取引を素早く済ますため、最初から結構いい値段を出していたのかもしれない。だいたいこれが10元って、電池代にもならないような気がする。結局鳥巣の近くで見た物売りはこのおっちゃん一人だった。
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しばらく行くと、歩道橋の上が撮影ポイントになっていた。ここでまた記念撮影。北辰西路から407路で安定門へ。地下鉄で北京駅へ行くと、あまり時間もなくなってきた。駅前の小吃で酸辣豆湯と餃子をかき込む。荷物を受け取り、ビールとつまみを買ってZ5次に乗り込む。今回は上段だ。下は北京人らしいおじいさんと、上海のお嬢さん。上海小姐は流暢な英語を話し、キャリアウーマン風でこの列車は乗りなれている感じ。空調と放送を切ってさっさと寝てしまう。おじいさんは最新携帯で音楽を聴いている。その上で羊肉串を肴にビール。