Canonの電卓?
2008年5月5日
定刻より少しだけ遅れて上海着。地下鉄駅横で荷物を預ける。以前も使った64路に乗る。バスは新しいバスになっている。もうボロバスは北京も上海も走っていない。豫園へ。煎餅の屋台がある。おいしそうだったので、買ってみる。丸い鉄板の上にクレープ状の生地を伸ばす。これに卵を割り甘味噌を塗り、「雑菜入れる?」「辛子は入れる?」と聞いてくる。しかし、香菜は有無を言わさず入れる。そしてこれで油条を包んで食べる。これは本当においしい。甘みと塩の絶妙なハーモニー。これにサクサク油条の食感が楽しめるようになっている。
そのまま豫園商場へ入っていく。やはりこれである。中国人の客も多いので値段も安く、なにより品揃えが豊富。次々と楽しいものが見つかる。多くのものを見すぎて目が乾いてくる。中国ではよく、「イー!アル!サン!」とボタンを打つ度中国語で喋る電卓が使われている。それを入手してみようと思い電卓屋を覗く。んっ?Canonの電卓?ロゴがよく似ているがよく見るとCaonaだ。ただ、これは発音しないと言う。こっちのなら発音するよ、と指差したのは、Gaona。ロゴマークはあまりキャノンに似てないのが残念だ。もしかしたら、クレームがついてCaonaをGaonaに変えたのかもしれない。一応公式ページがあるが、caonadz.comである。22元を20元にして購入。ちなみに、計算結果もちゃんと発音してくれる。しかも、例えば100の場合「イー!リン!リン!」などと不精せずちゃんと「イーパイ!」と言ってくれる。どうでもいい部分を妥協せず作ってあるのが面白い。そろそろオリジナルブランドで勝負してもいいんじゃないのと思うが。
外に出て、盒飯を食べる。東坡肉、でっかい肉団子、にんにくの芽炒め、ワカメサラダなどを盛ってもらい、ご飯でいただく。この店はスープ付だった。近くの沈香閣というお寺に入ってみる。落ち着いたなかなかいい雰囲気の場所。クッションに膝を突き、頭を下げて手の甲を地面に付けながらお祈りをしている。仏像が沢山あり、みんな丁寧に一つずつお参りしている。なんとこのお寺美容室がついていて、中庭で毛染めをしているおばちゃんがいたりするのがのどかだ。その後、一応豫園へ。珍珠乳茶を飲んでちょっと休む。バスで人民広場へ行き、地下鉄で火車駅へ。荷物を受け取り再び地下鉄。龍陽路下車。リニアとホテルまでのタクシー代が少し足りないので、交通カードを充値しなければならない。自動の機械があるので、カードを入れてみるが。なぜかカードが入らない。ウィンドウズのエラー画面が出ている機械に入れてみるとなぜか入る。30元ほどチャージしたいが、財布を見ると100元しかない。これを入れると100元チャージされてしまいそうだ。仕方なくクリスティーヌ餅屋でタルトを買って崩す。おばちゃんは細かいのは無いかと言ったが、崩す為に買っているわけで。もう一度機械にカードを入れ、50元を入れると予想通り、有無を言わさず50元がチャージされた。再び時速430kmの旅。もう写真も撮らなくなってきた。そう言えばあの絶叫マシンよりも安いんだなぁなどと考えながら。
|
||
|
||
|
||
|
||
|
||
|
||
|
歩く歩道には中国各地のスナップが飾ってあって結構楽しい。タクシー乗り場に下りて服務員に錦江之星へ行きたいのだがと言うと、もう一人の男を紹介される。その車に乗れと言う事かと思ったら、「このホテルなら送迎も無料だし安い。」なんと別のホテルを紹介しだした。「既に予約してあるんだ。」「予約なんかいいじゃないか。」「インターネットで予約してあるの!」「そうか、なら仕方ないな。」空港係員とタッグでホテル斡旋とは、浦東空港、なかなかやるな。大衆タクシーに乗ってホテルへ。途中新しい方か旧い方か聞かれたので、旧い方と答える。フロントで少し文字化けの控えを見せる。何事も無かったように予約が取れていることが、当たり前ながら不思議である。対応もホテル並みだ。279元。部屋はツインだが、大きいベッドと普通サイズのベッドがある。浴槽は無いが、シャワーはトイレと区切られている。
近くを散歩してみるが、殺風景で何も無い。自転車で走る人はコンビニの袋や、饅頭などを提げているが、とても近くにそんな店があるとも思えない。名所と言えばリニアくらいか。道路際に立ってリニアの写真を撮ってみる。このあたりはもう減速をしているが、間近なのでそれでも速い。1/125秒で軽く流す。柄にも無くAIサーボの連写で撮ってみたが、シングル一発で決めた方がうまく撮れそうな気もする。食料調達は期待できそうに無かったが、念のためホテルの反対側も歩いてみる。すると上海航空のホテルがあり、その下にコンビニ可的があった。ここで、今日の夕食とお土産を大量に買い込む。
毎度の事ながら、夜はジャンクな晩餐だ。
2008年5月6日
モーニングコールで起床なんて高級ホテルのようだ(そうでもない?)。空港が近いので朝早い客も多いのであろう。空港へは無料のシャトルバスが30分おきに出ている。きちんと定刻に出るので安心である。バスを降りたら第1ターミナルだった。上海航空は第2である。しかし、また動く歩道でスナップを見ながら移動したので飽きない。一週間は怒涛の如く過ぎ去った。連絡バスの中で、また知り合いと会った。やたら人に会う旅である。4000m級の山をトレッキングしてきたと言うから驚きである。
日本に帰ってから、最近中国人を目にする事が随分多くなってきたなと思う。7月のとある日曜日に雨が降りまして、同じ所に雨宿りしたのが中国人なんて事も起こるようになってきた。今まで中国人は日本を自由に旅する事ができなかったが、少しずつ自由になりつつある。これは本当にいい事で、両国民は相手の国を知らなさ過ぎる。テレビの報道なんかを見ていても、ああきっと中国の事を何も知らない人が番組を作ってるんだなぁ(仕方ないと思いますが)と思う事が度々ある。それは中国側の日本に対する報道で感じる違和感と同じようなものだろう。もっと多くの人が両国を行き来して、いろいろな誤解が解ける日がいつか来るだろうか。ところで、燃油サーチャージ、何とかなりませんかね・・・。
羊肉串
中国は屋台天国である。思いつくありとあらゆる物が路上で売られる。国全体が毎日フリマである。しかもそのラインナップは朝と夜で入れ替わるという念の入れようだ。特に夜の帝王と言えば、羊肉串である。街に夜の帳が降りるとどこからともなくやってくる。細長いグリルには炭が入れられ、隣のテーブルに串に刺さった食材が並ぶ。少し長い焼き鳥のようなものを想像すれば分かりやすい。いろいろな食材があるが、やはりここは羊肉でいきたい。食べたい物を指差し、食べたい本数の指を立てればすぐに焼いてくれる。電子レンジで何でもできる今、店主のこだわりの炭火(多分・・・)というのがうれしい。やがて肉汁が滴り、炎が上がってくる。そして店主が「これをかけてもいいか?」と尋ねてくる事だろう。貴方はここで迷わず首を大きく縦に振る。この店代々に伝わる秘伝の香辛料だ(多分・・・)。塩とクミン等のスパイスが混ぜ合わせてあるのだと思うが、企業秘密なので詳しくは分からない(多分・・・)。日本のうなぎ屋と同じ要領で店主がうちわをあおぎ始めると、あたり一面に何とも言えない芳香が充満する。この匂いだけでご飯が2膳いけるというつわものもいると聞く(多分・・・)。最後にもう一度「辛くしてもいいか?」と聞かれるだろう。迷わず「好!」と応えよう。場合によっては、「もっと激しく・・・」などの注文をつけるもよい。焼きたての羊肉串を渡されたら?そう、当然ビールである。羊肉串はやはり熱いうちに頂きたい。そのためには予めビールを入手しておく必要がある。羊肉串屋台を見つけたらすぐにコンビニに入りビールを買うくらいの先見の明は欲しいところだ。ビールはできれば青島か三得利のビンで行きたい。つまり、羊肉串屋台の近くでコンビニを見つけたら、その手前の金物屋で栓抜きを買うくらいの心遣いは欲しいところだ。
夜風に吹かれながら、羊肉串を頬張り、ビールをラッパ飲みすれば、バスの車掌に怒られた事や、誰かのゲロを踏んだ事などどうでも良くなってくるのである。