あの夢の国は今 

 

 2008年5月2日

 北京には定刻に到着。まず北京の交通カードを入手しなければならないので、地下鉄の駅に入っていくが、なぜか窓口がない。そしてホテルの客引きのおばちゃんに袋小路で追い詰められた。広いベッドは有るか?あるヨ!風呂は有るか?あるヨ!地下鉄の駅は近いか?地図持ってる?そう、ここ、ここ!前門まで歩いて3分といったところか。場所はなかなかいい。いくら?200元!まけてよ!もう一番安くなってる!おばちゃんは強気でなかなか下げない。まぁ場所がいいし、朝のチェックインだし、悪くないかなと思い、じゃぁちょっと見せてよと言うと、駅前の通りを渡りまたも白いワゴンに乗せられる。客引きのおばちゃんはここまでで、ワゴンに乗っていた鈴木紗理奈が年を取ったようなおばちゃんに引き渡される。ワゴンは天壇公園の横をひた走り、友誼医院の近くでホテルに入った。部屋を見せてもらうとダブルではなくツインだ。しかもまたもシャワーのみ。今度は少し抗議してみると、ダブルは昼の12時に空くのでそれまでここにいろと言う。フロントでお金を払う。宿泊費200元と押金100元。隣の中国人も200元を払っているので、これがここの料金なのだろう。比較的新しいがエレベーターがないのが難点か。少し休んでから、街を歩いてみる。バス停近くにブックスタンドがあったので、北京の地図を買う。定価5元だが、なぜか4元だった。なぜ割引。しかも同じ地図を流しは1元で売っていた。本当の値段はいったいいくら?屋台で粽と黄色い包子を買って食べてみる。粽はてっきり肉入りと思っていたが、プレーンだった。包子はほんのり甘いかぼちゃ味。どちらも予想と違う味だがおいしい。路上で生地をこねる兄ちゃんの写真を撮ると中国人以外は撮影禁止だと言われる。両国が分かり合える日はいつか来るのだろうか。

 街角で蜂蜜酸牛乳というのを売っている。大きさはマグカップくらいだが、陶製の甕のような形をしていて、口には包装紙を被せてある。これにストローを突き刺して頂く。おいしいヨーグルトである。歩いていると、店先に沢山のハンバーガーを積み上げている店がある。これがロバ肉だろうか。更に歩くと、交通カードを充値できるスタンドがある。試しにカードを買えるか聞いてみると買えると言う。押金30元+30元をチャージ。

 ホテルの前に何やら人が集まっている。柱には双喜。結婚式だ。やがて新郎新婦がオープンカーで登場。列席者達は手に手に紅い筒を持っている。足元には一斗缶くらいの大きさの紅い箱。明らかに呼ばれていない野次馬もどんどん集まる。それにまぎれて勝手に参列。媒酌人らしき、商売のうまそうなおじさんが口上を述べる。新郎が新婦を抱きかかえる。フラッシュが焚かれる。爆竹が鳴る。紙吹雪が舞い上がる。やがて列席者がホテルに入っていき、オープンカーと大量の紙吹雪が残される。
店番中
小鳥ひよこ?スズキのバーディーリスペクトか
爆竹禁止!
おめでとう!恭喜!恭喜!

 

 59路に乗って前門へ。北京の公交車は1元だが、交通カードを使うと0.4元に割引される。恐ろしく安い。地下鉄もどこまで行っても2元だ。バスは乗る時にカードをかざすだけでいい場合と、乗る時と降りる時両方かざさなければならない場合がある。地下鉄は自動改札機が並んでいるが使われておらず、カードリーダーのあるところへ行ってかざして通る(オリンピック直前に自動改札になったそうです)。復興門で乗り換えて、八角游楽園下車。あの夢の国と似ているとして名高い石景山游楽園へ。入場料は10元と良心価格だ。思ったより人が多い。そして広い。もう1時半になっているのでかなり空腹である。とにかく食事をしたいがここに来たのにはある目的がある。中国語でマクドナルドは麦当労(マイダンラオ)。ケンタッキーは肯徳基(ケンダジー)。しかし、そのどちらでもありどちらでもない、麦肯基(マイケンジー)という店がここにあるのだ。昼飯時にマックかケンタか迷ってしまったAB型の貴方の悩みを一挙に解決する、夢のような店がここにある。巨乳だがブスの女の子と美人だが貧乳の子、今すぐどちらかを選べと言われたら、日本男児はつい「じゃ巨乳のほうを・・・」などと与えられた枠の中だけで物事を考えてしまうが、ここで堂々と「美人で巨乳!」と自分の欲求に素直な答えを出せる、そんな自由な発想から生まれた店である(違いますね)。ぜひ食してみたい。しかし、この北京版夢の国は予想以上に広大で、しかも途中羊肉串の匂いを流したりして揺さぶりを掛けてくる。すると向こうから服務員の女の子達が歩いてきたので、案内図の横で待ち伏せて、麦肯基はどこかと尋ねる。残念な事に、よりによって一番遠い端である事が告げられる。言われた場所らしきところまで行ってみるが見当たらない。もう一度案内図を確認するとまだだいぶ先である。予想以上に広いらしい。そして2時ごろようやく到着。ハンバーガーのセットとチキンナゲットのセットを頼む。それぞれ22元ほど。飲み物はファンタオレンジとコカコーラ。ハンバーガーはチキンのハンバーガーで、マックよりもケンタ寄りの店のようだ。確かに中国ではマックよりもケンタの方が強い。おそらく鳥の唐揚げのほうが違和感なく受け入れられたのだろう。そう考えると、マイケンジーは正に中国のニーズに合ったファーストフード店と言えよう。でもよそ者から見ると中国にはもっと安くておいしいものが沢山あるのにねぇと思ってしまうのだが。

 いくつか乗り物を見て回るがどれも長蛇の列だ。そんな中一番人気がありそうなのに列が短いアトラクションがある。懸垂式ジェットコースター神舟である。その中国版スペースシャトルと同じ名前を冠したアトラクションはなんと50元。た、高い。列が短い理由が分かった。でもここは日本人の心意気を見せて乗ってみよう。まぁ本当は他のアトラクションに並んだら順番が永遠に来ないような気がしたからだが。20分ほど並んで順番が来る。荷物はすぐ横の籠に入れる銭湯方式。靴がゆるい人は靴を脱ぐ。足元のプレートが下に下がる。ゆっくりと勾配を上ってゆく。頂点に達した所で胃がスッと持ち上がり、落下。結構すさまじいGが架かる。宙返りやムーンサルトで自分が向いている方向が分からなくなる。よく分からない声が出る。みんなも意味不明の雄叫びを上げながら乗っている。そう言えばジェットコースターの事故があったが、確かにこのスピードで当たったら助からないと思う。涙が出てくる(怖いんじゃない、風が強すぎただけだ。そうに決まっているだろう。)。最後は流すようにして、見物人に見送られながら帰還。楽しいでしょうこれ。これは50元でも仕方ないなと思う。後になって中国で同じタイプのコースターが事故を起こしていた事を知ったが・・・。なんとなく満足して游楽園を後にする。ところで、問題となった似ている?と言われるキャラクター達は一掃されていて、ちょっと寂しい。そこまで徹底して消さなくてもと思うが。永和豆漿のおじさんも消え、こうやってフツーの国になっていくのだなぁ。

 地下鉄で天安門東へ。霞んでいていかにも天安門といった風情だ。地下道をくぐって広場へ。なんと持ち物検査がある。一応記念写真などを撮りまた地下道へ。突然男が逃げ出し、軍人が追いかける。何かのビラを配っていたらしい。それにしてもこれだけ沢山の軍人がいる中で逃げられるのだろうか。

 今晩は北京火考鴨を食べようと思う。北京ダックと言えば全聚徳である。でもこの店は日本にもある。まぁ日本にあるからといって、日本で行く事は無いと思うが、なんとなく悔しい。北京市内には結構あちこちに北京ダック屋があるのである。ホテルの近くにもあったが、なんとなく高級そうだった。そこで、以前安定門の近くにあったことを思い出し行ってみることに。以前行ったのとは違う店だが、火考鴨の看板を掲げる店がある。しかし店頭のメニューを見ると北京ダックは無い。一応服務員に聞いてみると有ると言い、二階へ通される。一階は庶民的なメニューで、二階は高級なメニューになっているらしい。高級と言っても、北京ダック1セット48元である。以前食べたとき頼みすぎて食べ切れなかったので、今回はスープやご飯のみに留める。しばらくしてダックが運ばれてくる。残念ながらこの店は実演なしだったが、相変わらず量は多い。早速1〜2片包んで食べてみる。噛むとじわっと油が染み出してくる。これに葱と甘味噌が絡んで絶妙である。しばらくして、ダックがもう一皿来る。なんと二皿で1セットだったのである。4〜5片包んで大人喰いをしてみる(小さい大人喰いだなぁ)。たまりません。米飯が忘れられていたようだが、とても余裕がないのでそのままにしておく。ホテルに戻る前に超市へ。大きい割にラインナップにセンスがない感じで、冷えたビールが置いてない。仕方なく檸檬ビールという色物に走ってみる。しかし外に出ると、露店の店先で汗をかいた燕京の大瓶(2.5元)がある。スーパーの温い缶よりこの方が良さそうだ。

 
マックとケンタの最強コラボレーション、麦肯基
中国の誇る有人宇宙飛行船の名が付されたアトラクション
鼠でしょ?違いますよ猫ですよ
Oバック?
D80・・・機材負けました
直立不動を真似して記念写真を撮ったら、みんな真似しだして
…ご迷惑をお掛けしました
蓋を開けるとトイレになるそうです
二皿も来るとは・・・
レモンビール




その先の中国へ