サソリ誘われたらカーニバル
2008年4月30日
とうもろこしを模したドリンクを飲んでみる。なんとなく味の想像がつかなかったが、飲んでみると案外納得。結構おいしい。とうもろこしを細かくして水で薄めて、砂糖で味を調えたという感じか。再び昨日の路地を歩いてみる。朝も当然の如く活気に溢れている。猫を発見。カメラを向けるとおっちゃんに大きな声で何か言われたが、猫を撮っていると言うと納得した模様。日本に持って帰るか?と聞かれる。屋台で揚げている油条を買ってみる。長い油条を二つに折ってビニールに入れてくれる。これに豆漿を付けて中国の正しい朝食。当然の如くうまい。十字にした竹竿に沢山のビニール風船を付けて売っているおっちゃんがいる。試しに鳥のやつを買ってみる。5元。3つなら10元だ、となかなか商売に余念がない。感じのいいおっちゃんなので、一緒に記念写真。
最寄りのバス停から517路で南翔まで行ける事が分かったので行ってみることに。しかし、待てども517路は来ない。よく見ると周りで多くの人がバスを待っているようだ。結局30分ほど待ってバスは来た。恐らく30分から1時間くらいの運転間隔なのだろう。本数の少ないバスは時刻を表示してほしいなぁ。乗るとどこまで行くか聞かれる。距離によって料金が違うらしい。古猗園(グーイーユエン)までと言うと、「あぁ、グーチーユエンね」と直される。「そうそう、グーチーユエン」でも、後で古猗園のパンフレットを見たらグーイーユエンって書いてあるし、古騎園と間違えているのじゃないかと思うが、ネイティブがそんな間違いをするわけないし、上海語なのだろうか。4元。そして40分ほどバスに揺られた頃、窓から古風な門が見えた。バスは停留所を過ぎようとしている。車掌に停めてもらうように言うと、そこから歩けと言われる。確かにすぐに南翔汽車站に入った。古猗園(12元)に入ってみる。地図は1元。空いていて落ち着いた雰囲気の庭園。豫園のように、九曲橋や湖心亭もある。なんと鶴がいる。っと思ったら贋物である。っと思ったら隣に本物がいたりするから侮れない。池には電動舟なるものがあって、小姐達が岸にぶつかったりしてなかなか楽しそうなので乗ってみる。30分15元(押金10元)。操作は右手のレバーで前進・中立・後退を切り替え、左手でハンドルというシンプルな操作だ。でも、恐らく車を運転した事ないであろう人には難しいかもしれない。手漕ぎ舟を操る小姐達は左右の息が合わず思うような方向に進まないようで、悪戦苦闘がなかなか楽しそうだ。途中橋をくぐる所は屈まないと危ない。結構時間が経ったように思ったがまだ5分だ。思ったよりたっぷり楽しめる。静かな池の風景を乱しながら久しぶりに童心に帰る。トイレに入ると、「上前一小歩文明一大歩」と貼ってある。確かに最近悪名高き中国のトイレがきれいになってきたと思うし、それによってこの国の近代化を感じる。
小籠包と言えば豫園にある店が有名である。ここ南翔の人が豫園の前に店を出して、それが流行ったわけだ。いまでも、いつ行っても長蛇の列という人気ぶりだ。しかも六本木ヒルズに支店があったりする。つまりわざわざ上海に来なくても日本で食べられるわけである(まぁ、六本木の方が遠いといううわさもあるが)。その店で食べるのはちょっと悔しい。小籠包発祥の地はここ南翔であり、その元祖がこの庭園横の店だ。しかし、その店で食べるというのもなんとなく芸がない。近くの通りには小籠包の店がずらりと並んでいるのである。そこでいろいろな店を眺めてからおもむろに一つの店に入る。決め手は?客がよく冷えたビールを飲んでいてそれがおいしそうだったからである。小籠包と春雨のスープを頼む。そしてもちろん青島。肉汁たっぷりの小籠包によく冷えた昼間の青島が絶妙である。再び汽車站からバスに乗る。帰りのバスは、到着間際にひどい渋滞に捕まり、たっぷり1時間掛かった。このバスの方が近いし安いが時間も不安定で混むので、普通の人はやはり上海体育館からの旅游バスに乗るのがいいだろう。
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予告ホームラン |
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路地裏の朝 |
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饅頭屋の猫 |
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上海の朝は油条とともに |
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本物が一羽混じっています |
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あわわわ |
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上前一小歩 文明一大歩 |
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よく冷えておりました。何も文句ありません。 |
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小籠包発祥の店・・・の近くの店 |
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ひたすら包みます |
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この山積みがなんとなくうれしい |
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疲れたので、ジムで遊んで少し休んでから、軽軌中潭路駅まで歩く。ファミリーマート(全家便利店)が見えるので、寄って行こうと近づくと何かコンビニっぽくない。よく見ると「全佳」と書いてある。軽軌に乗って虹口足球場へ。駅前には巨大なスタジアムがあり、その横でなにやらカーニバルが開催されているので、覗いてみる。香具師が口上を述べながら便利な清掃用品を売りつけている。紙芝居屋が時々鐘を鳴らしては客を呼び込むが子どもがあまりいないので客が集まらない。民族衣装をバイトの女の子に着せて小物を売る少数民族の店。羊を丸焼きにしながら羊肉串を売る内蒙古の店。臭豆腐の店。ここは中国版全国うまいもの市のようだ。その中になにやら不穏なものを売る店が。中国は四足のものは椅子以外何でも食べると言うが、実はもっと足の多いものも食べてしまうのである。蜘蛛、百足、蛹、サソリ・・・。これはさすがに中国でもゲテモノなのだろう。興味本位で覗いていく人は多いが、なかなか買っていかない。ひょうきんな感じのスキンヘッドの兄ちゃんが店のおばちゃんにいろいろ質問をしている。彼も気になっているようだ。まぁこれも何かの縁と、食べてみることに。さすがに特大のやつはビギナーには厳しいだろうと、ちょっと日和って小さ目のサソリ三連セットを注文。するとおばちゃんは油のたぎる中華なべに串を放り込みしばらく揚げた後、揚げたてを渡してくれる。10元。若干後味が残る感じもあるが、サクサクして結構おいしい。まぁもっとも別にサソリでなくてもいいような気はするが。周りには真っ黒い蛹を食べている人もいて、彼は興味本位ではなく本当に好きで食べているという感じだ。
できたばかりの新しい地下鉄に乗って大世界へ。かつて魔の巣窟とか娯楽の殿堂と言われた建物は工事の網に覆われ当時を偲ぶのは難しい。改修して保存する話もあるらしいが、うまく進んでいないらしい。少し歩くと雲南路の美食街に出た。丁度夕食時、ここで食べないでどうするという雰囲気だ。火鍋を路上にずらりと並べて順番に炭が入れられてゆく。先ほどフリマで少々つまんでしまい、あまり空腹でないため、なかなか決め手を欠く中、兄ちゃんの愛想が良かった店に入ってみる。席に着くと表へ出ろと言われる。店の前にはバットが沢山並んでいて、様々な魚が入っている。伊勢海老を喰えと言われるがさすがにそんな高級なものは喰えない。日本語を話せる人が中国では日本ほど高くないんですよと説明してくれるが、それは駐在員の基準だろう。おっちゃんは盛んに蟹を奨めるが、一応仮にも蟹の本場から来ているので、ここでガザミを食べるのもなんである。毒々しいほどに蒼く美しいアオブダイも気になるが、これは上海でも珍しい魚だろう。地物っぽい魚と蛸や貝や蝦下などを注文する。でも実はこれがどうやって出てくるのか想像がつかない。恐らくこれらを煮た鍋でも来るのだろうと思っていたら、まず蛸を甘辛く炒めた物が出てきた。なるほど、それぞれの食材を使った料理が一品ずつ出てくるのか。どれもなかなかおいしく調理してある。川魚も驚くほどおいしくいただける。ビールも飲んで1人40元ほど。中国ではなかなかの値段だが、日本ではバリューセットしか食べられない。
ここから輪渡に乗るため十六鋪まで行きたいが、丁度いいバスがないので、出租車(タクシー)を捕まえる。が、「近すぎる」「十六鋪なんてすぐそこじゃないか」とことごとく断られる。休前日であり、運ちゃんも強気である。仕方なく輪渡は諦め、金茂大厦まで行ってくれと言うとOKだった。そこもそれ程遠くないはずだが。タクシーは海底トンネルを駆け抜け、高層ビルに横付けされる。12元。ビルに入ると閑散としている。服務員に展望台はどこか聞くと下りエスカレーターを指す。上へ行くために下へ行くとは気がつかなかった。そして降りると観光客で長蛇の列。50元と聞いていたが、70元に上がっていた。日本円で1,000円ほどだからなかなか高級である。物価を考えればかなり高額だ。それでも紅いキャップをかぶった中国人観光客が多く、外人は少ない。外国人ツアーは混雑を避けて昼に登るのかもしれない。少し空いてからと思ったが逆に列が長くなりそうな気配なので諦めて並ぶ。この人数を二つだけのエレベーターで捌いているが、毎秒9メートルの超高速エレベーターなので、順調に列は進む。30分ほどでエレベーターへ。途中耳ツンがきて、驚くほど短時間で88階へ。窓にへばりついて夜景を撮ってみるが、感度を上げてもかなり遅いシャッターになってしまう。みんなうまく写真が撮れているのか心配である。ところで、観光客のカメラはほぼすべてデジカメに変わっていて、デジタル一眼レフを使う人も多い。しかもEOS-40DやニコンD80などの最新機種である。高級レンズを付けている人もいる。ところで、金茂大厦と言えば壮大な吹き抜けが有名であるが、それがまるで見えない。でもそれ無しでさすがに70元は取れないだろうと、人を掻き分けて半周ほどすると隙間があり、入ると見る事ができた。ビルを降りて、物売りが声を掛けてくるのを期待するがまるで来ないので物足りない気分だ。地下鉄を乗り継ぎ上海火車駅へ。117路でホテルへ戻る。
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ファミリーマート・・・っぽいけどなんか違う |
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「これ喰って大丈夫なの?」「もちろん、バッチリよ!…夜もね」 |
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シビレるうまさ |
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テクノの街には切な過ぎる調べ |
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市場ではなくてレストランです |
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庶民が上流階級を見下ろせる唯一の場所 |
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その先の中国へ